スポーツへのアクセスの向上と地域スポーツの振興支援

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情報技術の発達により、間接的なスポーツ観戦という面では、国内外問わずにリアルタイムで楽しめる環境が整ってきていますが、実際に身体を動かしてスポーツを楽しむには、用具や施設、またチームメイトや指導者なども必要になり、スポーツをしたくともその機会に恵まれないという人もいます。
ミズノでは、スポーツのもつ可能性を最大限に活かし、スポーツを楽しむ機会をより多くの人に提供するためには、年齢や障がいの有無、また、住んでいる地域に左右されない平等な機会の創造が重要と考え、スポーツへのアクセスの向上と地域スポーツの振興支援活動を行っています。また、それらの活動を通じ、スポーツを通じた人と人とのつながりやコミュニケーションの創造にも貢献しています。

トップアスリートによる地域スポーツ振興~ミズノビクトリークリニックの開催

ミズノでは、2007年より現役のトップアスリートや、かつて第一線で活躍したOB/OGによる実技指導を行う「ミズノビクトリークリニック」を各地で開催し、スポーツの楽しさを伝えるとともに、地域スポーツの振興に向けた活動を行っています。クリニック講師には、五輪・世界選手権などをはじめ国内外の競技会で活躍した20競技 約300名が登録されており、プロの技術や精神を直接伝授するとともに、参加者間の交流を促進する内容となっています。トップクラスの競技者を講師として行う本プログラムは、地域におけるスポーツの振興だけでなく、アスリートに活躍の場を与え、トップスポーツと地域スポーツの融合に寄与するものとなっています。「ミズノビクトリークリニック」は2016年度は全国で252回 開催しました。2017年度は413回の開催を目標としています。

スポーツ施設の運営

スポーツを楽しむ機会を創造するためには、地域にスポーツができる「場」があるということも重要です。ミズノは、全国で814施設に及ぶスポーツ施設の運営管理や、年齢に合わせたプログラムの提供を通じ、地域に住む方々の交流の場を創造するとともに、地域の一員として、気軽にスポーツに触れ合う機会の創出を支援しています。

社員によるスポーツボランティア

ミズノの社員は競技選手出身者も多く、その多くが野球クラブやサッカーの指導など、地域におけるスポーツ活動にボランティアとして係わっています。
自己申告数だけで2016年度までに252名がスポーツボランティアを行っており、申告のない短期の活動も含めると相当数の社員が日常的に地域スポーツの振興に携わっています。
社員自ら地域でのスポーツ活動に係わることでスポーツの振興に努めている他、スポーツの現場で何が必要とされているかをいち早くつかみ、よりよい製品・サービスやプログラムの提供にもつながっています。

ミズノ社員によるスポーツボランティアの例
(「社会貢献活動賞」として、2016年度に登録された活動の中から社内表彰されたもの)

  • 全国障がい者スポーツ大会の陸上競技チームの介護人として事前練習会や大会に同行。 
  • 小学校PTAのOGが集まるママさんバレーボールチームの監督として約14年間活動を支援。
  • 地域の少年サッカーチームのコーチを務め、約13年間指導を継続。
  • 少年野球チームの監督・コーチを務め、約14年間指導を継続。
  • 高校野球部コーチを12年間務め、ほぼ毎週末練習や試合に同行。
  • 聴覚障がいを持つライフセーバーとして、ボランティア活動や健聴者のライフセーバーに手話を広める活動を継続。

ミズノ社員によるスポーツボランティア

中松 友宏さん
(ミズノ株式会社 ライフスタイルスポーツ事業部 事業管理部 FWグッズCR課)

第16回全国障害者スポーツ大会において、身体障がい陸上競技・兵庫県チームの介護人として、事前練習会に参加・大会にも同行。2016年度ミズノ『社会貢献活動』賞受賞。

(1)活動を始めたきっかけ

スポーツの楽しさを、障がいの有無に関わらず一緒に感じて貰う、その手助けができればと考え、学生のときから視覚障がいの方の伴走をしていました。社会人になり視覚障がいの方だけでなく、障がい者スポーツ全般の普及に携わりたいと考えるようになりました。

(2)活動内容

全国障害者スポーツ大会の身体障害陸上の兵庫県選手団の役員として同行し、事前練習の指導や本番前のウォーミングアップのサポート、車いすの方の移動介助などを行いました。選手団は年齢も障がいも技術レベルもさまざまなので、可能な動きを選手の方と確認しながら、それぞれの個性と種目に合ったメニューを提案・実施しました。
参加者からは、「今までやったことのない練習、指導を受けられて良かった」「選手の目線で細かいアドバイスをもらえて助かった」という声を頂きました。

(3)活動を通じて感じていること

指導を通じて、障がいも個性のように多様であり、その個性に合ったアプローチが必要だということを改めて感じました。また大会には全国から障がいのある競技者が集まりますが、まだ一部の選手のみだと思うと、もっと社会全体で関わり取り組むべき課題ではないかと強く感じました。そのためにも、まずは身近なところから興味・関心を持ってもらい、関わる人を少しでも増やしていくことが重要だと思っています。

(4)ボランティア活動と日常業務のつながり

ミズノ内でも、障がい者スポーツへの取り組みをさらに進めるために、関心や活動を少しずつ社内に浸透させていきたいと考えています。

地域におけるスポーツの振興に向けた自治体等との協働

地域においてスポーツは、心身の健康増進だけでなく、住民間の絆づくりにも役立つものです。公民学それぞれの知見を結集することで、より地域のニーズに即した効果的な活動が可能になります。ミズノは、地方自治体や地域の大学等との連携を通じて、地域におけるスポーツ振興を推進しています。

ミズノは、大阪府羽曳野市と「羽曳野市多世代交流イベント」を実施しています。羽曳野市では、あらゆる世代において、健康づくりや介護予防に重点を置いた積極的な健康へのアプローチへ取り組んでおり、その1つとしてスポーツを通じてお互いの理解を深めるイベントを実施しています。親子を対象に「親子走り方教室」を実施、年輩の人を対象にしたミズノ独自の健康増進プログラム「ラララサーキット」や、ボルダリング教室を同じ場所で実施することでスポーツを通じた地域のコミュニティ作りに貢献しています。

障がい者スポーツ支援

ミズノは、障がい者用スポーツ用具の開発・提供や、選手・チームのサポートなどを通じて、障がい者が積極的にスポーツにアクセスできるような環境づくりにも力を入れています。

スポーツ用義足の開発

ミズノでは、福祉機器メーカーである今仙技術研究所と共同で、陸上用義足の開発に取り組んでいます。2016年にはカーボン製スポーツ用義足板バネを共同開発し、全国の義肢装具製作所を通じて販売を開始しました。今回完成したカーボン製板バネは、陸上競技ビギナーからトップ選手まで対応した短距離走用の板バネで、走行時における動作解析、板バネの変形や荷重の分析、構造解析から得られた知見をもとに、全体形状や剛性の分布を見直し、選手の求める板バネの変形・反発特性を追求しています。また、日本人の体型を考慮し取り扱いのしやすい軽量性も高めています。
現在、スポーツ用義足板バネの市場は海外メーカーがその大半を供給し、日本国内で国産義足を使用している選手は、多くはありません。今後の障がい者スポーツの振興のために、今仙技術研究所の義肢装具設計の技術と、ミズノのカーボン加工技術や動作分析などのスポーツテクノロジーを融合させ、世界で戦えるスポーツ用義足開発に取り組んでいきます。


パラバレー用器具の開発

各種スポーツ施設へのスポーツ器具の提供および運営サポートを手がけているセノー株式会社は、2016年8月、国際パラバレー連盟(以下WPV)との間でバレーボール器具注1に関する器具認定契約を締結しました。これまで数多くのバレーボール国際大会で採用され、トップアスリート及び関係者に支持されてきた実績が評価されての契約締結となります。WPVの公認を取得したことで、今後、WPV主催の大会、また同時に加盟43ヵ国の協会へ、バレーボール器具提供のアプローチが可能になります。引き続き、より安心で安全なスポーツ器具を開発・提供し、世界各国の障がい者スポーツ界を盛り上げると共に、その普及発展に貢献していきます。

(注)1.シッティング専用及びスタンディング専用バレーボール器具
(バレーボール支柱・支柱カバー・アンテナ・ネット)

WPVとの器具認定契約
ミズノ社員によるスポーツボランティア
ミズノビクトリークリニック

今後の課題

  • これまで、ミズノでは、スポーツ振興プログラムの多くを日本国内で開催してきました。 ミズノでは、今後、日本で培ったノウハウを活かし、グローバルでのスポーツの振興にもより積極的に貢献していきます。