次世代を担う子どもたちの運動能力と体力の向上

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日本においては、1985年頃をピークに子どもの体力・運動能力は著しく低下傾向が続いており、ケガの増大や生活習慣病の増大にもつながることも懸念されています。子どもの体力低下は、将来世代の健康状態に影響を及ぼすだけでなく、医療費の増加につながるなど、社会全体の活力に影響を及ぼすことが予想され、教育機関や家庭を含む社会全体での取り組みが望まれています。(※文部科学省「体力・運動能力調査」)
こうした子どもの体力・運動能力低下の背景として、1)手軽かつ安全に遊べる外遊びの場の減少、2)塾や習い事などによる遊び時間の減少、3)幼少期に身につけておくべき基本的な動きが発達していない、4)スポーツへの苦手意識、などの要因があります。ミズノは、子どもの運動能力と体力の向上を目的とした独自の運動プログラムを開発し、知識・経験豊かなミズノスタッフが中心となり全国で展開しています。

ミズノ独自の運動プログラムの開発

ミズノでは、運動が苦手な子どもでも楽しくスポーツの基本的な動作を習得できる運動遊びメニューと運動能力測定を組み合わせたプログラム「ヘキサスロン」を開発し、全国各地の自治体と協働し小学校を始めとした各種施設で提供しています。安全性と機能性を考慮したミズノオリジナルの道具を用い、各自の運動能力に合わせて「走る」、「跳ぶ」、「投げる」の基本動作を習得できるよう構成された「ヘキサスロン」を場所・プログラム・サービスのセットで提供することで、楽しく、かつ着実に子どもたちの体力・運動能力につなげることが可能となっています。2016年度は新潟県、奈良県、香川県、広島県の小学校17校にプログラムを提供しました。その内、香川県まんのう町では、小学校1年生から4年生を対象として6校でプログラムを実施しました。実証実験では、ヘキサスロン用具を使った遊びプログラムの介入により、小学校1年生から3年生の男女共に、全てのスポーツテストの項目(走る・跳ぶ・投げる)で、介入後に統計的に有意な差が認められました。今後は、用具や種目の種類を増やしプログラムのさらなる充実と展開地域の拡大を図っていきます。さらに2016年度は、ベトナムの公立小学校を対象に「ヘキサスロン運動プログラム導入普及促進事業」を実施しました(後段:“グローバルなスポーツ振興活動”参照)。
また、その他にも、遊びながら「走る」、「跳ぶ」、「投げる」の基本動作を習得できるよう構成された「ミズノ流忍者学校」などのプログラムも提供しています。

ミズノスタッフによる運動プログラムの展開

子どもの運動能力・体力の向上のためには、幼少期から身体を動かすことに慣れ親しみ、スポーツへの苦手意識を克服することが重要です。
ミズノでは、幼少期に身につけておくべき基本的な動きを短期集中で克服し、運動の楽しさを味わい、運動が好きな子どもを増やすことを目指し、スポーツに関する知識・経験豊かなミズノスタッフが講師となり「ミズノ・スポーツ塾」や「運動会必勝塾」などのプログラムを各地で開催しています。

子どもの運動能力・体力の向上に関するプログラムの実績

ヘキサスロン

(内容)

スポーツの基本的な動作を楽しく習得できるメニューと運動能力測定を組み合わせたプログラム

(実績)

2016年度は17校が導入、113回開催し、13,992名が参加

ベトナムでパイロット事業開始

ミズノ流忍者学校

(内容)

幼少期の成長に必要な「走る」、「跳ぶ」、「投げる」などの36の基本動作を盛り込み忍者の修行に見立てたストーリー型遊び運動プログラム

(実績)

2016年度は13回開催し、812名が参加

ミズノ・スポーツ塾

(内容)

マット運動・鉄棒・跳び箱などを取り入れた、運動が苦手な子どもたちのためのプログラム

(実績)

2016年度は1,019回開催し、8,049名が参加

運動会必勝塾

(内容)

運動会のリレーやかけっこで1等賞をとるためのレッスン体験型プログラム

(実績)

2016年度は16回開催し、536名が参加

 

ヘキサスロンを導入して~まんのう町子ども未来夢基金活用事業~

香川県仲多度郡まんのう町役場 生涯学習課
課長 松下 信重様

当町では平成27年度より「まんのう町子ども未来夢基金活用事業」を実施することとなりました。この事業は町内の小、中学生を対象に運動能力に優れた子どもや芸術・文化・科学などに興味を持つ子ども一人ひとりの個性や限りない可能性を伸ばし、まんのう町の子どもたちが将来、全国、そして世界で活躍できるように町の基金を活用した新たな施策として創設したものです。
特にスポーツの分野では文部科学省の全国体力・運動能力調査(全国体力テスト)の結果によると子どもの体力・運動能力は昭和60年ごろから低下傾向が続いています。このことから、子どもたちの日常生活の分析と体力向上に向けた対策が喫緊の課題となりました。
そこで「スポーツセンターまんのう」を運営しているミズノ株式会社の提案・協力を受けてスポーツを体験したことがなく運動が苦手な子どもでも楽しく、遊び 感覚で走る、跳ぶ、投げるなど基本的な動作を自然と身につけられる「ヘキサスロン」を町内の全小学生(1~3年)を対象に導入することになりました。
事前に学校の授業カリキュラムや校内行事との調整、指導方法など担任や体育指導の先生方との協議を経ながら平成28年度も実施し、学年末を迎えての結果は総体的に向上していることがデータとして表れています。今後は小学生を中心に体力の向上を図り、その中から体力・運動能力に優れた子どもたちを発掘し、トップアスリートを多く輩出できるような人材育成を期待しています。

ミズノ・スポーツ塾
ミズノ流忍者学校
ヘキサスロン

今後の課題

  • 子どもの体力低下の大きな要因となっている「プレゴールデンエイジ」(4~8歳頃)の運動不足の解消に向けて、「プレゴールデンエイジ」の子どもに対し特定のスポーツ種目でなく、遊びの中で体力がついていくような場や機会を提供していきます。その活動の一環として、子どもたちに多様な運動を通じて36の基本動作を身につけてもらうことをコンセプトにヘキサスロンやミズノ流忍者学校を開発、運営施設での展開を進めていますが、まだまだ体験していない子どもたちがいます。一人でも多くの子どもに体験してもらい、身体を動かすことが楽しいと感じてもらえる機会を増やしていきます。
  • 全国国公立幼稚園・こども園長会が行った調査によると、「ひも結び」や「箸使い」「ふきんを絞る」といった手先を使う技能が苦手とする幼児が多い傾向がわかりました。このような日常生活で必要な動作改善も我々のプログラムを通じて改善できるようプログラム開発を進めたいと考えています。