トップメッセージ

新たな100年に向けて ~ 「フェアプレー」、「フレンドシップ」、「ファイティング・スピリット」を大切にし、スポーツの力で世界中の人々を幸せにすることに貢献していきます。


メガスポーツイベントやプロスポーツなど「観る」スポーツの世界的な盛り上がりや、市民マラソンをはじめとした「参加する」スポーツへの人気の高まりなど、スポーツは今日の私たちの日常生活に無くてはならないものの一つといえるでしょう。
世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本は、健康寿命の延伸が大きな課題となっています。また運動機会の減少や生活習慣の変化による、子どもの体力・運動能力の低下が懸念されています。スポーツが単なる娯楽を超えて、多くの人々に元気を与え、このような社会的課題の解決にも貢献できるとしたら、とても喜ばしいことです。

ミズノは長期経営方針として「新100年ブランドの創造」を掲げています。スポーツ関連業界のグローバルな競争は激しく、国・地域や製品分野によっては足元の業績が厳しい状況に置かれているものもあります。しかし、グローバルな社会トレンドをみれば、スポーツの力で世界中の人々を幸せにするという方向性は正しく、これからも、より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じてステークホルダーの皆様に新しい価値を創造していく所存です。

今日のグローバル社会では、企業が行うビジネスに対して、消費者、NGO、市民社会などによる社会的監視の目がますます厳しくなっています。スポーツとビジネスとの関係が密接になるにつれて、私たちスポーツに携わる企業としても、サステナビリティ(持続可能性)に配慮した責任ある事業活動を行い、将来世代に「持続可能な未来」というバトンを渡さなければいけません。

こうした長期的な方針に基づき、ミズノは2016年度に、ミズノグループの事業活動がステークホルダーや社会に与える影響という観点から、マテリアリティ(重要課題)の特定を行いました。

第一に、スポーツ用品メーカーとして最も重要な責任は、製品に対する責任です。安全・安心で高品質な製品を提供することに加えて、今日では製品の原材料調達から製造、販売、使用、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体を通して、環境配慮や人権尊重を含めた責任が問われています。ミズノでは、環境や人権・労働面を含めたCSRの基準により、新規サプライヤーに対する事前評価、および一次サプライヤー全てを対象とした監査・指導を徹底しています。今後はリスクの高い領域から順次、二次以降のサプライヤーへの対応を広げていく必要があると考えています。

次に、スポーツの振興も私たちの重要な責任です。スポーツには、健康の維持・増進とともに、国や世代を超えたコミュニケーションを生み出し人々の人生を豊かにする力があります。ミズノでは、若年層の体力・運動能力の向上や、年配の方々の健康寿命の延伸に繋がるさまざまなプログラムを全国各地で展開するとともに、自治体や地域との協働を進めています。さらに現在、官民協働プロジェクトとして、ベトナムの公立小学校を対象に「ヘキサスロン(*)運動プログラム導入促進事業」を行っており、子どもの体力および判断力・コミュニケーション能力の向上という課題解決を目標に取り組んでおります。

(*)「ヘキサスロン」:ミズノが独自に開発した用具を用いた運動プログラムの名称

従業員のダイバーシティ(多様性)推進にも力を入れています。女性管理職比率は現在まだ低いものの、過去4年間の新卒社員の女性比率は平均47%と業界平均を上回っており、育児休業の復職率は95%、定着率は100%となっています。ミズノでは既に、商品の購買決定に大きな影響力を持つ女性の視点を事業に取り入れるために、商品開発や店舗企画などで女性社員の参画を積極的に進めています。こうした活動は女性活躍推進と同時に、事業に直結した施策として行っているものです。
ダイバーシティ推進の目標は、女性・男性に関わらず、全ての社員が各自の持てる力を最大限に発揮できる環境・風土をつくることです。現在その目標に向けてさまざまな施策を行っており、2020年に女性管理職比率8%(ミズノ株式会社単体)を目標としています。

スポーツにもビジネスにも共通して言えることは、「ルールを守る」ことが大前提であるということです。コンプライアンス、法令遵守は最低限のルールであり、グローバルに事業を展開する企業は、国際的に重要とされている各種国際行動規範を尊重することもルールの内と心得なければなりません。

私は、CSR報告書2017で挙げているマテリアリティ(重要課題)に関する具体的な活動をグループ・グローバルレベルで推進していくことが、国際ルールに則ったミズノグループの責任ある行動であると認識しています。

ミズノの創業者である水野利八は、「利益の利より道理の理」という言葉を残しています。彼が大正時代にスポーツ振興を目的に草の根で始めた野球大会が、現在の春・夏の高校野球や都市対抗野球に発展しました。スポーツの振興に力を尽くし、その結果としてスポーツ関連の市場が育ち、巡り巡って事業収益に貢献するという考え方は、創業から今に至るまで変わりません。その想いは「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念により私たちに受け継がれています。
経営理念を軸に、現代社会で求められるサステナビリティ(持続可能性)、CSRを経営に取り入れ、ステークホルダーの皆様とともに新たな100年に向けた挑戦を続けてまいります。

ミズノ株式会社
代表取締役社長
水野明人