製品における環境影響の緩和

ミズノでは、全製品を環境配慮型商品とすることを目指し、ミズノ独自の環境配慮型商品認定基準である「ミズノグリーングレード」を2010年に構築し、製品を通じた環境影響の緩和を進めています。「ミズノグリーングレード」は、素材調達から廃棄までの製品ライフサイクル全体(素材調達、生産、輸送、販売、使用、廃棄)の環境配慮項目について点数評価し、獲得ポイント合計によりゴールドメダル、シルバーメダル、ブロンズメダルを認定する仕組みです。認定を受けるためには、各段階において一定以上のスコアを獲得する必要があります。 ミズノが独自の環境配慮型商品認定基準として「ミズノグリーングレード」を構築・導入した背景には、環境配慮型商品の開発と共に、ミズノ製品に係わる人々が一体となって環境配慮を追求する風土の醸成という狙いがありました。ミズノでは、シューズやウエアだけでなく、様々なスポーツ関連アクセサリーも製造しています。また、その製造には、ミズノの社員だけでなく、素材メーカーや取引先等、様々な人々が関わっています。販売数が多く影響が大きな製品はもちろんのこと、垣根なく全製品について環境への配慮を求め、またその製品の製造に携わる人々の努力を評価する仕組みを構築することで、各製品におけるイノベーションにつなげ、ミズノ全体としての環境影響の緩和につなげています。

ミズノグリーングレード 主な評価項目と認定製品例

主な評価項目

素材調達 環境負荷の少ない材料の選択
・再生プラスチック、オーガニックコットン、植物由来原料など
生産 材料使用量の削減
環境負荷の少ない生産技術
輸送・販売 包装資材の削減
輸送時のCO2削減
使用・廃棄 冷暖房の「省エネ」に貢献するウエア
寿命の延長になる耐久性の向上
温暖化する環境でも快適な運動をサポート
その他 禁止物質の不使用

認定商品例:WAVE LIGHTNING Z6

このバレーボールシューズは、合成ゴムの削減のため、天然ゴムを50%以上含んだソールを採用しています。植物由来原料は、限りある資源である石油の使用量を減らし、焼却処分する際のCO2排出量を低減するなど、環境への負荷を減らすことができます。

素材調達

合成ゴム削減のために植物由来の天然ゴムを50%以上使用した、環境負荷の少ない素材を選択しています。

生産

廃材を抑制できる前加工製法を利用して部品を製造し、廃材を抑制するために部品金型(抜き型)を使用することで、材料使用量の削減に取り組んでいます。

輸送・販売

古紙でリサイクルしやすい材料の一足箱を使用しています。

使用・廃棄

耐摩耗性の高いラバーを使用して長く使えるようにしています。

ミズノグリーングレード売上比率

2019年度全商品の売上に占める環境配慮型商品の割合は89.6%となりました。(新製品については94.6%がミズノグリーングレードに認定) 今後も継続的に環境配慮型商品の開発、拡販に取り組んでいきます

ミズノグリーングレード認定製品売上比率

ミズノグリーングレード認定製品売上比率と新製品に占める比率

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
売上比率(%) 83.2 91.7 91.9 92.0 89.6
新商品に占める比率(%) 99.4 99.2 98.3 99.0 94.6
※新製品に占める比率については、全て春夏展示会製品におけるデータ

ライフサイクルアセスメントの実施

ミズノでは、より環境負荷の少ない製品・サービスを提供するため、ライフサイクルアセスメント(LCA : Life Cycle Assessment )手法を用いて、製品のライフサイクル全体(原料調達から製造、輸送、廃棄・リサイクルに至るまで)の環境負荷の把握に努めています。 2018年度に代表的なランニングシューズのモデルであるWAVE RIDER21のLCAを用いた分析を実施し、製品ライフサイクルの中で影響の大きいプロセスおよび環境側面を特定しました。 その結果、数ある環境影響の中でもランニングシューズにおいては「気候変動」「土地利用」「資源消費」「大気汚染」「廃棄物」の5つの分野で全体の約98%を占めていました。最も環境影響の大きい分野は「気候変動」で、特にアッパー材料の組み立ておよび使用後の廃棄における影響度が高いことがわかりました。今回の分析結果では、環境負荷を低減するためには単に素材を変更するだけでなく、製造プロセスの変更など、サプライヤーとの協働が不可欠であり、今後は中長期的な視点で環境負荷の低減に向けた取り組みを検討していきます。

WAVE RIDER21のLCA

プロセスごとの影響度

茶殻をリサイクルした人工芝の充填材の開発

ミズノでは、株式会社伊藤園(以下、伊藤園)と共同で、伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム※1」を活用し、人工芝の充填材「Field Chip G(Greentea)」を開発しました。 「Field Chip G」は、ロングパイル人工芝サッカー場1面で全量使用した場合、「お~いお茶」525mlペットボトル約43万本分の茶殻を配合しています。茶殻にはお茶の樹木が吸収した二酸化炭素が蓄えられているため、茶殻をリサイクルした本製品はサッカー場1面あたり、大気中にある約4.3t-CO2の二酸化炭素を削減できる計算となります※2。さらに、黒ゴムチップの充填材と比較して表面温度の上昇を約7℃抑制することができます。 現在、ミズノ直営施設の学童保育施設「あそりーとAFTER SCHOOL」(東京都)のPlay Groundや常盤橋(東京都)開発エリアの一部、橿原運動公園(奈良県)に採用されており、環境に配慮するとともに、人工芝の快適な利用に貢献しています。

※1 茶殻リサイクルシステム https://www.itoen.co.jp/csr/recycle/
※2ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業㈱製)により炭素量を測定

ご参考「茶殻リサイクルシステムの環境面でのメリット」
https://www.itoen.co.jp/csr/recycle/concept/

伊藤園 共同開発担当者様からのコメント

お~いお茶などの茶系飲料を製造すると約63,200t(2019年5月~2020年4月)の茶殻が排出されます。 伊藤園は、茶殻を堆肥などに有効活用していますが、耕作放棄地増加などの要因で時代とともに堆肥の使用先である農地が減少しています。 そこで、50年・100年先を見据えて、茶殻の機能性を活かした畳の部材(茶配合ボード)や封筒などの紙製品にアップサイクルする「茶殻リサイクルシステム」を開発しました。 しかしながら、当時の茶殻リサイクルシステムの製品群にはスポーツ品がありませんでした。 様々な効果が期待できるお茶を扱っていながら、健康を維持するスポーツ品の開発が行われていないことをミズノ様にお伝えしたところ、親身に相談に乗ってくださり、Field Chip「Greentea」を共同開発するに至りました。 また、Field Chip「Greentea」を共同開発するに当たり、ミズノ様の「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という企業理念、伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶の機能性をお客様の身近な製品へ活用する」という想い、両社の担当者の「地球環境に配慮した製品づくり」という熱い想いが合致したことも開発成功の要因と考えられます。 Field Chip「Greentea」は、黒ゴムチップの充填材と比較して、ゴムチップ特有の匂いが無く、表面温度上昇抑制効果という機能性があります。 Field Chip「Greentea」の施工事例が広がり、快適にスポーツを楽しんでいただける方々が増えることで、「お茶とスポーツの力」で環境・健康の両側面から世界の方々に幸せになっていただければと思います。

企業ユニフォームの取り組み

ミズノでは、スポーツシーンで培った機能性を応用した企業ユニフォームを提供し、建設・製造・運輸業など、様々なワークシーンで快適な労働環境をサポートしています。近年の企業活動においては、従業員等の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実施する健康経営に取り組む企業が増えており、従業員のユニフォームにも安全性・快適性を重視する考えが広がっています。さらに、企業の環境配慮への取り組みを支援するため、企業ユニフォームには再生ポリエステル素材を採用、廃棄の際にはリサイクルすることで、環境負荷の低減に努めています。それらの多くは、新たにフェルト素材として自動車内装材などの再生品にリサイクルされています。

今後の課題

  • LCA手法による分析調査の継続と、ライフサイクル全体での環境負荷の低減を目指します
  • ミズノの事業活動全体のCO2排出量のうち、その他の間接的な排出であるScope3の占める割合は約97%です。特に「購入した製品・サービス」が全体の80%を占めるため、製品を通じたCO2排出量の削減が重要になってきます。今後はCO2排出量の低減に向けた製品の企画開発を推進します。