研究開発職座談会

ミズノでは、2022年に誕生した研究開発拠点「MIZUNO ENGINE(以下:ME)」など、研究開発環境の整備に力を入れています。今回は、研究開発に携わる社員に、MEの存在意義や今後のキャリアイメージなど、さまざまなテーマについて語りあってもらいました。

MEMBER

A

2023年入社 グローバルアパレルプロダクト本部 設計・パターン開発課

サポーターやパフォーマンスソックスなどの設計を担当。入社前から自分が開発した商品をトップ選手に使ってもらうことを目標のひとつとしていた。

W

2014年入社 グローバルイクイップメントプロダクト部 先行開発課 デジタルソリューション担当

コンピュータシミュレーションを用いて、バット、ゴルフボール、ラケットといった用具の最適な設計の提案や、それらを計測する仕組みの構築、自動設計プログラムの構築などを担当。

S

2022年入社 デザイン・開発ソーシング部 開発ソーシング課

ものづくりとスポーツに携われることに魅力を感じ、ミズノに入社。現在は、バレーボールやハンドボールシューズの設計に加え、品質管理やコスト管理など、商品開発におけるソーシング業務を担当。

T

2016年入社 グローバル研究開発部 設計技術研究開発課

シューズに使用される材料、特にミッドソールやアウトソールの新規材料の開発、評価方法の構築を担当。最近はゴムの摩擦・摩耗に関連する研究開発にも注力し、研究成果を学会で発表。

仮説を立て、検証を重ね、商品として世に出す。
─ ものづくりの先にあるやりがい。

Theme 01

仕事のやりがいについて

T
研究開発の仕事だと、新たに自分が立てた仮説に基づき、新特性を見出す良い評価方法が作れた時が嬉しいですね。私はシューズ系の材料開発や評価方法の構築を担当しているのですが、やっぱり開発や評価に関わった製品を多くの人が使ってくださっているのを見ると「この仕事やっていて良かったな」と思います。
S
私も同じです。関わった製品を使う姿を見るために頑張っていると言っても良いかも。私はバレーボールシューズを担当しているので、私が関わったシューズを履いてプレーする選手をテレビで見ると、ものすごくやりがいを感じます。
A
私は学生時代にサッカーをしていた頃、ケガをしてサポーターに助けてもらった経験があります。そのためか、サポーターの開発で思い通りの試作品ができあがった時は、やりがいはもちろん多くの選手を助けられるという嬉しさを感じます。
T
やりがいという面では、研究開発のプロセスの中で多種多様な学問や情報を勉強したり組み合わせたりしながら、新しい発見を目指すというのも実はとても楽しいですよね。
W
そうですね。例えば、軽くて高い耐久性を備えたバットやラケットに用いる素材となると、結構究極的な素材を使うことになるんですよ。軽さと強さはトレードオフの関係なので、設計や検証を繰り返しながら商品化を目指すプロセスはやりがいがあります。ただ、入り込みすぎると正解が見えなくなるので、客観的な情報と主観のバランスを意識しながら最適解を探しています。
S
私が担当するソーシングの仕事は、コストと品質のバランスをいかに最適化するかが腕の見せどころです。品質ばかりに目を向けすぎると、コストがかかって値段が高すぎる商品になるし、品質を軽視するとすぐ壊れる商品になってしまいます。最適なバランスを見つけた時は「本当に良い仕事したなぁ」って思います。
T
ある研究テーマに対して仮説を立てて実験を進めると、仮説通りに行かないこともありますが、これを失敗ではなく「新しい学びを得たタイミング」だと考えるようにしています。そうすると上手くいかないことも楽しくなりますね。

“研究する”だけじゃない。
人も技術もつながる『MIZUNO ENGINE』

Theme 02

職場環境について

W
私たちのような研究開発職の社員が普段働いている「MIZUNO ENGINE(以下:ME)」では、ミズノのものづくりに関わる多種多様な人々が交流し、定期的にミズノの開発者が一堂に会して自らの技術や研究を共有する「技術会」も開催しています。
S
MEは試験機を借りる時などに利用しますが、オープンな空間なので、試験室に辿り着くまでに開発中の製品や技術の様子が垣間見えるんです。シューズは多彩な素材が使えるので情報収集になりますし、気になる素材を見つけたら担当者に声を掛けて聞くこともあります。これもオープンなMEだから起こる交流ですよね。
W
そうですね。フロア全体を見渡せて、他の人が何をしているかが見えることで情報が視覚として入り、それをきっかけに始まったコミュニケーションが新しいアイデアの創出や技術の融合を発生させる。これこそがMEの目指すところです。
A
サポーターの開発でも、生地の取り方や配置が定まってない初期段階の試作では、外部工場ではなく自分で試作することがあります。MEの縫製室には10種類以上のミシンが並び、館内には試作品を評価する機械が数多くあります。
T
材料系の研究開発環境はMEの誕生によって大きく向上しましたし、研究レベルも向上しました。例えば、ゴム材料の引っ張り強度や耐摩耗性を測定するだけではなく、「なぜその結果になったのか?」を考えるための測定ができる機器もあります。機器の充実により研究の幅も広がり、特許出願する素材も出てきました。
W
実は、MEに敷設されているミズノ製の人工芝はプロ野球シェアNo.1で、海外では台北ドームにも採用されています。ピッチャーマウンドの土は甲子園球場と同じ黒土、テニスコートもプロの大会で使用実績のあるサーフェイスで、本番さながらの環境下でテストを行っています。
S
ME内には体育館もあって、私もシューズの試着テストを行うことがあります。通常なら、テストを実施するための体育館を探すのが大変なんですが、研究施設内に体育館があると、いつでもすぐにテストができます。実は、仕事以外でも使用可能で、業務時間外に社内のバドミントン部が練習していたり、朝も社内のバスケ部が練習していたりするみたいです。そういう使い方もできるということですね(笑)
W
たしかに、部活動などの業務外での交流を通じてコミュニケーションも活性化されていますし、新しいものや価値を創造する環境づくりにつながっていますね。ちなみにTさんはお昼休みに館内のトラックでトレーニングしてますよね(笑)
T
はい(笑)。陸上の短距離をやってるので、たまに借りて練習しています。
S
ミズノの社員って、やりたいことに真剣に取り組んでいる人が多いですよね。
A
ミズノ社員って良い人ばっかりのイメージなんですよ、ホントに(笑)。分からないことがあれば親身になって教えてくれますし、コミュニケーションが気軽に取れるんです。
T
たしかに。ミズノの人たちは、熱意があってポジティブ思考なので相談しやすいですよね。仕事の相談はもちろんですが、仕事に関係ない雑談もしますし、同期と一緒にUSJへ行くこともあります。別の会社で働く大学の同級生に、同期とUSJに行くことを話したら驚かれたので、ミズノの会社の雰囲気ってすごく良いんだな、と(笑)

それぞれの夢が、ミズノの未来をつくる。
─ 理想のキャリアと挑戦のかたち。

Theme 03

今後のキャリアについて

T
私の夢は、研究の質を高めていき、その研究成果を製品という形でユーザーに届けたいです。そのために、国内だけではなく海外開催の学会で発表し、世界中の研究者たちとより深いディスカッションを行い、研究テーマのブラッシュアップに取り組みたいです。
A
アパレル開発が楽しいので、今後は生地開発にも挑戦してみたいです。「自分といえばこれ」と言えるようなヒット商品を開発するのが目標です。将来、結婚して子どもができたら、私が開発に関わった商品を身につけてスポーツする姿を見たいですし、将来はミズノのブランドアンバサダーを目指してほしいですね(笑)
S
私は、まずはひとりで完璧に開発業務を進めるのが近々の目標です。将来的には、自分が開発を担当したシューズをトップ選手が着用し、世界的な大会で大活躍する姿を見たいです。そしてシューズ開発業務をひと通り経験し、シューズづくりのプロフェッショナルを目指します。
W
「スポーツに閉じない開発者」であり続けることが当面の目標です。同時に、スポーツとデジタルソリューションの連携を加速させつつ、建築や人文など異分野の情報を吸収し、ユーザーと設計者が双方向でつながる製品や仕組みを提供することを目指したいですね。
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