サステナブル・プロダクト
基本的な考え方
ミズノは、中期・長期の環境目標達成に向け、プロダクト部門ごとに代表的な製品においてライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しています。原材料の調達から廃棄に至るまでの製品のライフサイクルにおける環境負荷を分析・把握し、ライフサイクル全体での環境負荷の緩和を推進しています。
原材料の調達においては、リサイクル素材や植物由来材料を採用し、耐久性の向上やメンテナンス、リペアによる製品の長寿命化にも取り組んでいます。
また、スポーツ施設の施工および運営管理においては廃材の抑制、リサイクル材の採用など、環境に配慮した手法を施主や発注者に提案しています。
製品ライフサイクルにおける環境負荷低減への取り組み
2023年には、大阪府の「サプライチェーン全体のCO2排出量見える化モデル事業」に参画し、アパレルとイクイップメント分野のカーボンフットプリント(CFP)に関するCO2排出量の算定および報告を行いました。ミズノは多種多様な製品を製造・販売しているため、正確性と業務負荷のバランスの取れた方法の確立が必要です。今後もライフサイクルアセスメント(LCA)やCFPの分析を進め、環境負荷の低減に取り組んでいきます。
原材料の使用とリサイクル
ミズノでは、製品の種類が多岐にわたるため、製品に使用する原材料の種類を全てリストアップすることは困難と判断し、主要なプロダクトで使用している主な原材料について報告します。原材料には、植物由来原料やリサイクル原料なども採用しています。
リサイクル原料の採用は、従来のシューズとアパレルに使用する材料への取り組みに加えて、野球用具やヘルシーインテリア製品にもその採用を拡大しています。
| 代表例 | リサイクル原料 |
|---|---|
| イクイップメント | 廃車される列車の車体アルミニウムを金属バットに再生、同じく廃車される列車のシート生地をトレーニング用具に採用、野球用などチーム向けバックパックの裏地にリサイクルポリエステル素材を採用など |
| シューズ | リサイクルポリエステルをアッパーに採用、植物由来材料(Pebax® Rnew®/Rilsan®)をウェーブプレートに使用、染色しないアッパーニット材料を採用、ミッドソールと中敷きに藻類ベースの素材「BLOOM」を採用するなど |
| アパレル | ペットボトルをリサイクルした素材、植物由来合成繊維、生分解性合成繊維、米の籾殻を再利用した素材など |
環境に配慮した原材料の研究開発
ミズノは、石油由来の原材料に代わる非石油由来の原材料について研究開発を実施しています。なかでも、植物性由来の原材料として有力な候補と考えているセルロースナノファイバーなどのナノ材料の研究開発を行っています。
世界初※1のスポーツ用人工芝と充填材をカネカと共同開発
ミズノと株式会社カネカは、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®※2を使用した屋内型人工芝葉と充填材の「生分解性人工芝シリーズ」を共同開発しました。
海で分解され、海洋プラスチックごみの要因とならない樹脂素材を使った「生分解性人工芝シリーズ」を全国のスポーツ施設や商業施設などへの導入を目指すことで、生態系や人体への影響が懸念される環境汚染課題の解決に取り組みます。
また、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®は、100%バイオマス由来の樹脂であり、GHG排出量削減や石油資源の使用量削減にも貢献できます。
※1 Green Planetを使用した海洋生分解性人工芝として(カネカ、ミズノ調べ。2025年6月時点)
※2 株式会社カネカが開発したバイオマス由来の生分解性バイオポリマー
屋内型ロングパイル人工芝と充填材
人工芝断面イメージ図
環境省「プラスマ・アワード2026 使う・減らす部門」金賞受賞
環境省は、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、「プラスチックとの賢い付き合い方」を推進する「プラスチック・スマート」を展開し、多様な主体の取り組みについて発信しています。その中でも特に優れた取り組みについて表彰する「プラスマ・アワード2026」の「使う・減らす」部門において、ミズノの「海中環境でも分解する樹脂を採用したスポーツ用、景観用人工芝葉および充填材※3」が金賞を受賞しました。
※3 「Re Green Grass UMI」シリーズと「Field Chip UMI」シリーズ
泳ぐ人にも環境にも配慮した新競泳用ニット水着生地の開発
競泳水着は「速く泳ぎたい」というユーザーのニーズに応えるため、日々製品開発が進められ、進化し続けています。特に競泳用水着で使用される生地は、水による抵抗が低くなるよう撥水加工が施されているほか、表面の組織や加工も工夫されています。
一方、環境に配慮した製品開発を行う際、一般的に使用されるリサイクルポリエステル糸やPFASフリー撥水剤※1を使用するとコストアップや性能低下を招くとされ、要求特性と環境配慮との両立は困難とされてきました。そこでミズノでは、東レ株式会社との共創により、これまで以上の環境配慮とさらなる低抵抗性を実現する生地を開発しました。
※1 有機フッ素化合物(化学物質)の含まない撥水剤のこと。
新素材の撥水の様子
「Stream Fit Ribtex(ストリームフィットリブテックス)」と名付けられたこの新生地は高い評価をいただき、GOOD DESIGN賞2024を受賞しました。その後、「STREAM FIT RIBTEX」を使用した競泳用水着を「GX・SONIC STREAM」と名付け、2025年9月に発売しました。
GOOD DESIGN AWARD 2024受賞
製品設計による耐久性向上
超硬金具搭載による野球スパイクの長寿命化取り組み
ミズノはサステナビリティ活動の一環として、製品の長寿命化を推進しています。
野球スパイクにおいては、金具の耐久性向上によってシューズ全体の寿命を延ばす工夫を行っています。
現在主流の埋め込み式金具のスパイクは高い機能性を備えていますが、金具が摩耗するとシューズごと買い替えが必要になるという課題があります。
これに対しミズノでは、オーダースパイクの一部※1に、宇宙開発機器やトンネル掘削機にも使用される超硬合金を金具の先端に特殊溶接する製法を採用。これにより、通常の金具と比較して高い耐久性※2を実現しています。
「金具以外はまだ使えるのに買い替えなければならない」という状況を減らすことで、廃棄物の削減に貢献。シューズの長寿命化を通じて、環境負荷の低減を目指しています。

※1 ミズノプロオーダー、グローバルエリートオーダーのスパイクの樹脂底スパイク(2025年10月現在)
※2 ミズノ調べ
今後の課題
ミズノの事業活動全体の温室効果ガス排出量のうち、その他の間接的な排出であるScope3の占める割合は約97%です。特に「購入した製品・サービス」が全体の約80%を占めるため、製品を通じた温室効果ガス排出量の削減が重要と認識しています。今後も温室効果ガス排出量の低減に向けた製品の企画開発を推進します。