重要課題
児童労働・強制労働の禁止・廃絶に向けた取り組み

児童労働の禁止・廃絶に向けた取り組み

国際労働機関(ILO)の児童労働に関する報告書(Global Estimates of Child Labour: Results and Trends, 2012-2016)によると、全世界で1億5,200万人の児童労働があると指摘されています。その内訳を産業分野別にみると、農業分野が70.9%、工業分野が11.9%、サービス分野が17.2%となっています。また、地域別にみると、アフリカ47.6%が最も多く、ついでアジア太平洋地域40.9%となっています。アパレルやシューズなどのスポーツ品の製造は、労働集約型産業とされているため、労働者の賃金が相対的に低いアジア太平洋地域での生産が一般的となっています。したがって、ミズノの委託先工場の多くが所在するアジア太平洋地域では、児童労働に対する一層の監視が必要です。

当社は、自社の事業活動が児童労働に関与する可能性があるという見地から、「児童労働を行わない」ということを「ミズノ倫理規範」に明記しています。さらに、「ミズノCSR調達行動規範」では、サプライヤーがILOの定める中核的労働基準8条約の中の「就業が認められる最低年齢に関する条約」(第138号)、および「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」(第182号)を尊重することを要求しています。

また、CSR監査中に児童労働を発見した場合、当社は直ちに対応を検討し、しかるべき措置を講じます。その一方で、児童労働が発生する背景には、貧困などの社会的背景が深く関係していると考えられるため、児童労働の根本原因を追究するとともに、その解決策を工場と共に考えていきます。

※ 2020年度に実施した監査では、児童労働の事例はありませんでした。

現代奴隷(あるいは強制労働)への対応について

国際労働機関(ILO)の現代奴隷(強制労働と強制結婚)に関する報告書(Global Estimates of Modern Slavery : Forced Labour and Forced Marriage, 2017)では、2016年に全世界で4,000万人の現代奴隷、2,500万人の強制労働が存在すると指摘されています。地域別では、アジア太平洋地域が千人当たり4人と最も多くなっています。したがって、アジア太平洋地域では、児童労働と同様に現代奴隷・強制労働にも、監視の目が必要と考えています。

日本に目を向けると、アパレル縫製などの労働集約型産業では、多くの工場が外国人技能実習制度を利用して外国人を雇用しています。当社も日本に所在する委託先工場からも商品を調達しています。

当社は、「世界ガバナンス指標」をもとに監査を必要とする国と必要としない国を設定しており、日本に所在する工場は、CSR監査の対象から外しています。しかし、日本の外国人技能実習生制度、海外での移民労働者の取り扱いが、人権面や労働条件面で問題があるとNGOなどから懸念が表明されているため、例外として、外国人を雇用する工場に対しては、当社のCSR調達担当者が直接CSR監査を行っています。

過去の監査では、パスポートなどの個人書類を会社が保管するなどの違反事例や、賃金支払いなどに関する違反事例はありませんでした。一方で、寄宿舎の設営場所や緊急避難ルートに関する違反事例があったため、工場と共に是正に取り組み、これらの重大な違反事例は、既に全て是正を完了しています。

外国人技能実習生を雇用する監査対象工場の実態についてはこちらをご参照ください

紛争鉱物に関する取り組み

紛争鉱物とは

紛争鉱物(Conflict Minerals)とは、アフリカ諸国などの紛争地域で採掘された鉱物資源のことです。暴力によって近隣住民が強制的に採掘作業に従事させられるという人権問題に加えて、武装勢力の資金源になっていることが問題視されています。

特に米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)は、すず、タンタル、タングステン、金(3TG)の4物質を規制対象の鉱物資源として定義しています。米国の上場企業は、これらを使用した製品を製造、委託製造しているか否かについて、米国証券取引委員会(SEC)に報告するとともに、ホームページで開示することが義務付けられています。

紛争鉱物に関する取り組み

当社は、米国上場企業ではないため、報告義務と開示義務の対象外となっていますが、2018年に紛争鉱物と定義される物質の使用状況について調査し、それらを使用している製品を特定しました。具体的には、ゴルフクラブのヘッド、ソフトテニスラケットなどの重量バランスのための重り、野球超硬スパイクの歯先にタングステンを使用していることが分かりました。当社は、該当する鉱物を使用した部品が紛争地域から調達されたものでない「紛争鉱物フリー」であることを確認しています。

今後の課題

  • ミズノ製品の製造を行っているアジア太平洋地域は児童労働と強制労働への監視が必要です。今後も工場のモニタリングを継続的に行い、指摘事項の是正を促進することで、適正なCSR調達を確実に行っていきます。
  • カリフォルニア州サプライチェーン透明法(2012年施行)、英国現代奴隷法(2015年施行)、オーストラリア現代奴隷法(2019年施行)は、人身売買や奴隷労働を排除する取り組みを開示するよう企業に求めるものです。人権尊重の法制化に対応し、積極的に情報を開示していきます。
  • 日本における外国人の労働者に対する 強制労働・差別・ハラスメントなどの問題について、国際的な批判が強まる中、業界内外の企業や団体と協力して、法令遵守をはじめとした外国人労働者の責任を持った安定的な受け入れを促し、外国人労働者の労働・生活環境の改善を働きかけていきます。