重要課題
製品に関するコミュニケーション
基本的な考え方
スポーツ用品の使用に当たっては、お客さまの正しい利用とスポーツに対する安全意識が欠かせません。ミズノでは、取扱説明書への専門用語の使用を極力避け、図解による分かりやすい説明を心がけることで、お客さまに安全な取り扱いについての情報をお伝えしています。
製品の情報提供
ミズノは、お客さまが適切に製品を選択できるよう、製品関連の情報を十分に提供することが重要だと考えています。製品に取り付けるラベルや説明書による表示だけでなく、店頭POPやウェブサイトなどを活用し、積極的に製品関連情報の開示を進めています。
開示内容については、表示に関連する法規や業界の規約を遵守し、表示管理規程に従い、内容の正確性と適切性について確認しています。具体的には、製品の優位性について記載する際は誤認のないよう正確で分かりやすい表現にするとともに、機能性を表現する際には裏づけとなる試験・実験などの資料があることを条件としています。
また、材料調達に関して情報開示が必要な場合は、取扱説明書や製品情報で開示していきます。材料調達については、「人権を尊重した責任ある調達」および「ライフサイクルを通じた地球環境問題への責任」に従って定めた「持続可能な材料調達方針」を材料ごとのガイドラインとして製品作りに生かしており、必要に応じて見直しを実施します。
製品の廃棄については、取扱説明書の作成マニュアルに「特別な廃棄方法が必要な製品(一部に身体や環境に有害な物質を含むなど)に関しては、適切な廃棄方法、廃棄処分、廃棄を依頼できる機関などを明記すること。それ以外の場合、各地方自治体の廃棄規則に従うこと。」と明記し、取扱説明書の改訂時には随時マニュアルに準拠した内容に変更しています。
表現内容は、ワークフローによる申請システムを用い、品質保証室、法務室などの関係部門全てが、効果的・効率的に内容を確認し、判定できる仕組みを運用しています。さらに、申請前の自主確認の仕組みの整備も進めており、機能性表現については申請者自らが申請前に表現の適切性を確認し、優良誤認を与えないよう工夫できるようにしています。[*c]
なお、2023年度は表示の不備により2件のリコールを実施しましたが、問題点を確認し、プロセスを再整備しました。
不良品発生時の不良・回収に関するコミュニケーション
ミズノは、不良品発生時にはミズノのウェブサイト上で、迅速かつ的確に不良品の告知をしています。2023 年度に告知した事案は2件で全て自主的規範の違反事例に該当し、表示に関する事案は1件、それ以外の事案は1件になります。
製品不良や品質表示ミスなどで、ホームページ内に「ミズノ製品に関する重要なお知らせ」として告知した総件数
(件)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|
5 | 2 | 4 | 7 | 2 |
安全に製品を使っていただくためのコミュニケーション
スポーツ用品の使用に当たっては、お客様の正しい利用とスポーツに対する安全意識も欠かせません。ミズノは、カタログや取扱説明書、広告、ニュースリリース、店頭ちらし、またミズノお客様相談センターでの問い合わせ対応などのさまざまな手段を通じ、お客様への製品情報提供を行っています。
安全な取り扱いに関する情報をできる限り分かりやすくお伝えするため、取扱説明書は専門用語の使用を極力避け、図解による分かりやすい説明を心がけています。
また、ミズノお客様相談センターへのお問い合わせ内容を分析し、取り扱い方法の分かりにくい製品に説明書を追加するなどの対応も行っています。ウェブサイトのユーザーサポートページに「製品についてのFAQ」、「お役立ち情報」などのコーナーを設け、シューズやウエアごと、種目ごとに、よくあるお問い合わせを掲載するとともに、選び方やお手入れ方法などに関するマメ知識も紹介しています。
取り扱いを間違えると事故につながるような製品に関しては、PL(製品責任)表示などを含め、より具体的な取り扱い説明などの情報を掲載しています。
安全に製品を使っていただくために
スポーツシューズには個別に取扱説明書を添付していますが、スポーツシューズをより長く安全に使用していただくため、JASPO(一般社団法人日本スポーツ用品工業協会)に働きかけ、JASPOに加盟しているスポーツメーカー11社で共通のリーフレット「スポーツシューズガイドブック」を活用することとし、その内容はミズノホームページでも公開しています。
このガイドブックでは、使用上の注意事項、購入の際の試し履きのポイント、シューズ選びのポイント、履く(脱ぐ)ときの注意事項、長く使用していただくためのポイントなどをイラストも交え分かりやすく解説しています。
お客さまの声をもとに商品説明の内容を随時更新
公式オンライン上での eコマース購入が増加していることを受けて、商品説明における分かりにくい表現や、情報を追加することで、お客さまが理解しやすいと考えられる点について、内容の見直しを随時行っています。納得して商品を購入いただくため、お客さまからいただいた声はできる限り抽出し、見直しの参考にしています。
今後の課題
- お客様にタイムリーに適切な情報を提供するため、表示物に関する基礎知識を従業員一人一人がしっかりと身に付けられるよう社内教育の充実を図ります。
- ウェブサイトにおける「お客様相談センター」のよくあるお問い合わせにおいて、最新の情報が提供できるようタイムリーにメンテナンスを実施していきます。
- お客さまからの問い合わせ窓口が、代表電話、店舗、お客様相談センターと複数に分かれているため、窓口の一本化を検討します。これらの部門が連携してお客様対応を行うことによるメリットも踏まえて、システムの統一に関する取り組みを実施していきます。
- 難渋・悪質顧客による「カスタマーハラスメント」から従業員を守るべく、グループでの「カスハラ対応指針」の策定に向けての取り組みも充実させていきます。