• G-SHOCK 時計バンド

柔軟性と高強度の両立を実現

G-SHOCK 時計バンド

カシオ計算機株式会社

時計にタフネスという新たな概念を築き上げたカシオの「G-SHOCK」。ミズノテクニクスでは、カーボン素材を使用した時計バンドを製造しています。

カーボンの特性である「高強度」が、「タフネス」というG-SHOCKのコンセプトに合うと、共同での新製品開発の打診をいただいたのがきっかけでした。

ただ、カーボンは普通の時計バンドにあるような柔軟性やしなりがあまりない上、繊維方向の力には高強度を保てても、繊維と垂直方向の力には非常に脆いという特性があります。結果的に、そのままでは時計バンドの素材として利用することができないということがわかりました。

時計バンドの素材には不向きと思われたカーボンですが、ミズノテクニクスの開発チームは試行錯誤を重ねながら、カーボンに高強度と柔軟性という二律背反の特性を実現する方法を模索しました。
その方法とは、炭素繊維のクロス目を45度にずらすことで曲げや引っ張りに対する耐久性向上を実現するというもの。加えて、熱可塑性樹脂を含浸したカーボン繊維織物と外層ウレタン樹脂を組み合わせて成形することで、従来比125%の強度向上と切れにくい強靱な構造を実現しました。

強度としなりや反発性といった性質が求められる素材は、ファッション素材などでの活用があると考えており、ファッション業界への提案はもちろんのこと、さらなる改良を進めます。