MEasy

着脱性とフィット性を両立させた「MEasy」の開発

近年、着脱が容易であることをアピールするシューズが数多く登場しています。また、普段からシューズの着脱を容易にするために、あえて紐をほどかなくても脱げるように緩めに締め、スリッポンのようにして履いている人も多いのではないでしょうか。ミズノでは、「着脱性」と「フィット性」という相反する2つの機能を両立させたミズノ独自の「オープンフィット構造」を搭載した「MEasy(エムイージー)」を開発しました。
着脱が容易なシューズは市場のニーズが高く、開発に着手する必要性を感じていましたが、提供するならば総合スポーツ用品メーカーの強みを生かし、着脱が容易なだけではなく、動けてしかもフィット性が良いシューズであるべきだと考えました。そこで、着脱性とフィット性という相反する2つの機能を高いレベルで両立した着脱容易シューズこそ、ミズノが目指すべき姿であると設定して開発をスタートしました。

1.独自機構「ベロの回転」で着脱性を向上

会議中

開発初期は「フィット性の良いシューズの着脱性を向上させる方法」という視点で考えていましたが、ほどなく開発に行き詰まってしまいました。そこで発想を逆転させ、「着脱しやすいシューズをいかにフィットさせるか」という視点に方針転換して開発を進めました。チームでアイデアを出しながら20種類以上試作する中で、履く前の段階では履き口を広くし、履いたらフィットする状態に変化させる構造が必要だとわかりました。この変化をシューズに足を入れるという動作だけで実現する方法を考えたところ、「ベロを回転させる」構造にたどり着くことができました。
商品に搭載する機能とするにはいくつかの壁が立ちはだかりました。まず回転するベロの部分は、その設計や素材、構造の最適解を見つけるのに苦労しました。さらに回転軸の素材として使用するゴムにはミリ単位の調整が必要で、履きやすさとフィット性を両立させる鍵となるベロの素材や構造も繊細な調整が必要でした。

調整を重ね、たどり着いた「オープンフィット構造」によって、足入れ時には履き口が広がっている状態で手を使わずに履くことができ、足を入れるとベロ部が足に沿った状態を維持するため、歩くときも靴が脱げることなく足にフィットし続けます。さらに、靴から足を出すだけで再びベロ部が立ち、履き口が広がった状態に戻ることで、さっと足入れできる状態を提供します。

2.履きやすさとフィット感を検証

従来の高いフィット性を備えたスリッポンタイプのシューズは、足先を靴の履き口に入れてから、靴に最後まで足を入れ込む際に、手を使ったり腰をかがめる動作を必要としていました。しかしながら「MEasy」は、10名のテスター全員が手を使わずに履けた上、腰のかがみ動作も少なく済んでいるだけでなく、従来品と同程度の高いフィット性を体感できていると確認できました。こうした結果から、「MEasy」は着脱しやすくフィット性も高いシューズであると確認できました※1

※1 効果や感じ方には個人差があり、効果を保証するものではありません

3.歩行速度がアップするソールを採用

「MEasy」は、後足部から前足部にかけて高反発素材『MIZUNO ENERZY(ミズノエナジー)』を搭載したソールを採用しました。こちらも12名のテスターの歩行を計測し、『MIZUNO ENERZY』搭載シューズは歩行速度が上がり、歩幅が大きくなることを確認しています。これにより「MEasy」は、履いて歩くだけでも従来のウォーキングシューズ※2と比較して歩幅と歩行速度アップが期待できます。

※2 自社従来品「FS900」との比較による検証結果

「MEasy」は2024年3月に発売を開始し、ご購入いただいたお客さまから大変好評をいただいております。腰をかがめることに難がある妊婦やシニアなど、幅広い年齢層の皆さまに履いていただきたい商品です。

これからもミズノは、総合スポーツ用品メーカーの技術や知見を生かした製品を提供することで、人々を健康かつ元気にする挑戦を継続していきます。