製品の安全と品質の確保

  • 重要課題

製品の安全・品質管理のための仕組み

ミズノでは、製品の安全と品質管理のため新製品の開発段階で、全ての商品の各種レビューを行っています。レビューでは、製品のデザイン、使用する材料、使用時の安全評価、表示物など、品質に関する様々なチェックを実施しています。新製品製造開始前のデザインレビューでは、チェックリストに基づき、構造や材料、技術面について数か月にわたり確認作業を行います。また、製造後、工場からの製品出荷前には出荷前検査を行い、単品不良がないかを最終チェックしています。

ミズノの製品の多くはOEM契約を締結した外部の製造委託先工場で製造されており、委託先工場での品質の確保も重要です。新たに製造委託先として取り引きする工場に対しては、ミズノの指定する品質に沿った製品が製造されることを確実なものとするため、各プロダクト部門の担当者がその工場に赴き、工場の品質能力を診断し、ミズノ基準に合格しない限りOEM契約の締結をしないこととしています。取引中の工場に対してもQCパトロールとして、主要アイテムを生産する工場を定期的に訪問し品質管理状況を確認・指導しています。

また、アパレルQC会議、シューズQC会議、イクイップメントQC会議など、各プロダクト部門でQC会議を合わせて年間22回開催し、品質状態の確認および不良品の再発防止策の検討と徹底を行っています。

なお、重大な不良品発生時には消費者庁、経済産業省等の関係行政機関に報告し、必要に応じて社告を新聞などに掲載して回収に努めるようにしています。新聞社告等を必要とする重大な不良品は2005年度以降発生していません。

新製品製造開始前のデザインレビュー例 (シューズ部門)

内容 確認事項
セーフティーレビュー 新構造/新材料/新技術に対する技術的検討

・品質(成型性・生産性等)
・機能性、安全性
・スケジュール
・パテント
・外部検証データ必要有無の確認

プレデザインレビュー 新構造/新材料/新技術の採用可否判断 ・チェックリスト項目の確認
・新構造/新材料/新技術の採用可否の判断
デザインレビュー① サンプル検討 ・チェックリスト項目の確認
・2回目のデザインレビューの必要性の判断
・実履きテストの必要性有無の判断等
・機能性表示の確認
(景品表示法、医機法等)
デザインレビュー② サンプル発注に向けての仕様検討、決定 ・チェックリスト項目の確認
・前回指摘項目の確認
・量産時注意点の確認
デザインレビュー③ サンプルの仕様確認

 

海外生産管理会社への検査員認定制度の導入

シューズの製造委託先工場に配置されている検査員に対し、規定で定められた検査項目について、同じレベルで正しく判定が出来ているかを、確認できる制度を導入しました。

ISO9001の認証取得

ミズノでは、安全性と品質の確保のため、品質管理の国際規格ISO9001の認証を取得しています。

取得年 取得事業所
2001年 セノー株式会社
2006年 ミズノテクニクス株式会社
上海ミズノ
台湾ミズノ
2008年 香港ミズノ

製品に含まれる禁止有害化学物質不使用のチェック

ミズノでは、安全で適正な品質の製品を提供するために、当社が製造および販売する製品に有害な化学物質を使用しないための遵守事項を「化学物質管理規定」として定め、運用しています。この規定に基づき、各国法などで禁止・制限されている化学物質注1とその許容基準などをリスト化し、製品について調査・確認を行ったうえで商品化しています。

注1.特に危険度の高い有害化学物質として代表的なものは、POPs条約、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(第一種特定)、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」、欧州REACH規則付属14.17に規定される化学物質等

化学物質管理に必要な規定や手順などは品質保証部が整備し、製品を管轄する関係部門(用具系、アパレル系、シューズ゙系)に教育・指導を行っています。品質保証部は年度目標をプロダクト部門毎に調整の上、管理活動の定期的な確認等を行っています。

サプライヤーに対しては、使用する可能性のある化学物質の種類に応じて、化学物質調査表による報告や基準適合誓約書の提出を求めています。また、製品や素材の一部について第三者試験機関による抜き取り検査注2を実施し、製品や素材の安全性を検証しています。化学物質調査報告や分析結果で懸念物質が特定された場合は、環境影響の低減を求め仕入先に申入れを行っています。また、製造委託先の生産現場で使用されている化学物質の取り扱いが適正に行われるよう改善提案するほか、環境影響が低い化学物質への代替を改善提案しています。

注2.特定芳香族アミンを生成する特定アゾ色素の不含有確認試験、欧州向け製品について欧州REACH規則の遵守確認試験など

2017年度は、サプライヤーの代表を集め、ミズノの有害化学物質への取り組みに関して説明会を実施 し、特定物質については使用の制限を徹底しました。なお、2017年度は製品における有害化学物質の 違反実績はありませんでした。

従業員の意識向上に向けた取組み

品質に関する教育の実施

ミズノでは、ミズノ製品の安全と品質を担うのは、ミズノ社員一人ひとりの意識と実践であり、品質管理は特定の部門ではなくミズノグループ全体で取り組むものと考えています。ミズノでは、創業者・水野利八の「ええもん作んなはれや」の精神を根付かせ、品質管理に関する従業員教育を体系的・計画的に確実に実施していく体制を整えるため「ミズノ品質教育大綱」を策定しました。また、品質保証部が主催した品質教育を全従業員を対象として多数実施しています。2015年度からは、3つのプロダクト部門に品質教育委員を選任し、各プロダクト部門独自の品質関連教育の提供も開始しました。今後も品質教育の充実に取り組んでいきます

品質に関する主な研修[*d]

全社品質講座
(内容) 品質管理に関する基本的ルールの知識習得
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門等
(実績) 2017年度は延べ25講座、480名参加
顧客対応講座
(内容) 顧客対応に関する基礎知識習得
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門、小売、カスタマーセンター等
(実績) 2017年度は延べ4講座、49名参加
QC講座
(内容) QC的問題解決の考え方と手法の知識習得
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門等
(実績) 2017年度は2講座、25名参加
QC検定受験勉強会
(内容) 品質管理知識の向上のための自己啓発の促進として実施
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門、事業企画、営業部等
(実績) 2018年3月でQC検定資格保有者 120名
プロダクト部門品質教育
(内容) 3つのプロダクト部門が独自に品質関連専門知識教育取得のために実施
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門等
(実績) 2017年度は延べ101講座、1,436人参加

品質を支える技術の伝承

ミズノの品質へのこだわりを支えるのが、卓越した技術をもつ職人(クラフトマン)の存在です。ミズノ品質を支える"匠の技"を育成し、伝承していくために、多くのミズノ製品の製造を担うミズノテクニクス株式会社においては「ミズノテクニクス技能検定制度」を設け、優秀なクラフトマンの育成、技能職従業員の活性化、その技術レベルの向上を図っています。また、匠の技を保有している従業員には「マイスター」「クラフト」という称号を与え、手当を支給しています。2018年3月末現在の認定者は、マイスター3名、クラフト44名です。

「マイスター」、「クラフト」認定者数

(名)
マイスター クラフト
2015年 3 44
2016年 3 44
2017年 3 44
 
 
 
 
 
 
 
 

 

ミズノテクニクス株式会社~日常管理の中で、品質向上させていく仕組みの運用~

ミズノテクニクス株式会社は、ゴルフクラブや野球バット・グラブ、競技用シューズ、スポーツアパレル等の多くのミズノ製品の製造を担う自社工場です。また、近年ではスポーツ用品製造のノウハウを活用したカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)が、航空機、鉄道車両、自動車、電化製品などスポーツ用品以外でも数多くの産業分野で採用されています。
ミズノテクニクスの有するモノづくりの技術やノウハウはプロ選手・プロチームからの信頼も厚く、その期待に応え続けるためには、従業員一人ひとりの一層の技術向上と技の伝承が欠かせません。そのため、ミズノテクニクス株式会社では、日常管理の中で品質を向上させていく仕組みを構築し、運用しています。
①2ヶ月に一回の「QMS ( Quality Management System品質マネジメントシステム) 推進委員会」:各課で選任された「QMS推進委員」に対してQMS事項の報告と教育を実施
②2ヶ月に一回の「ミズノテクニクス品質教育」:品質保証課で資料を作成し、教育を実施

品質月間の設置と品質標語の募集

ミズノでは、従業員の品質に関する意識の向上のため、毎年11月を品質月間と定め、グループ全従業員を対象とした品質標語の募集を行っています。2017年度は、2,803名が応募しました。応募作品については、ブロックごとの審査の後、全社審査を行い、全社特賞作品を決定しています。この活動は、従業員がミズノ製品・サービスの品質について改めて考える機会となっており、品質向上や顧客満足の向上につながっています。

製品ライフサイクルアセスメントの取り組み

高品質で安全・安心な製品を提供することに加えて、今日では、製品の原材料調達から製造、販売、使用、廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体を通して、温室効果ガス排出、化学物質使用、天然資源使用などの環境影響評価を行う「ライフサイクルアセスメント」が重要になりつつあります。
ミズノでは現在、製品のライフサイクルを視野に入れたプロセス(素材、生産、使用、廃棄)ごとの環境影響評価を行い、環境配慮設計の推進に向けた状況調査を進めています。

今後の課題

  • デザインレビューの精度向上と効率化を通じた不良の未然防止を図ります。
  • 世界的な化学物質規制強化の動きに対応すべく、海外販売会社と連携したグローバル管理体制の構築を進めます。
  • 有害化学物質の使用に関して、用具、アパレル、シューズなどのアイテムごとの管理手法の強化を進めます。
  • 品質安定化の実現のために、品質教育大綱に基づく品質教育を年間計画に沿って確実に進めていきます。