製品の安全と品質の確保

  • 重要課題

製品の安全・品質管理のための仕組み

ミズノでは、製品の安全と品質管理のために、各種レビューや検査を実施しています。各種レビューでは、製品の設計、使用する材料、使用時の安全評価、表示物など、品質に関する様々な項目をチェックしています。新製品製造開始前のデザインレビューでは、チェックリストに基づき、構造や材料、技術面について確認作業を行います。また、製造後、工場からの製品出荷前には出荷前検査を行い、単品不良がないかを最終チェックしています。 すべての製品はアイテムごとに作成した製品規格および材料品質基準書に従って品質を確保します。これらの製品規格や材料基準は、各国の法律や規格等のルールをベースに、ミズノが長年のモノづくりで培ってきたノウハウとお客様のお声を蓄積したものです。

ミズノの製品の多くはOEM契約を締結した外部の委託先工場で製造されており、そこでの品質の確保も重要です。新たに委託先として取り引きする工場に対しては、ミズノの指定する品質を満たす製品が製造されることを確実なものとするため、各プロダクト部門の担当者がその工場に赴き、工場の品質能力を診断し、ミズノ基準に合格しない限りOEM契約の締結をしないこととしています。取引中の工場に対してもQCパトロールとして、主要アイテムを生産する工場を定期的に訪問し品質管理状況を確認・指導しています。

また、定期的に開催しているQC会議において、市場における品質状態の確認および発生した不良品の再発防止策の検討と徹底を行っています。 なお、重大な不良品発生時には、経済産業省、消費者庁等の関係行政機関に報告し、必要に応じて広く告知するとともに製品を自主的にリコールするなど不良品の拡大防止に努めています。新聞社告等を必要とする重大な不良品は2005年度以降発生していません。 2020年度も引き続き グローバルな視点における品質保証体制の整備と人材の育成を通じて安全で高品質な製品の提供に取り組んでいきます。

新製品製造開始前のデザインレビュー例 (シューズ部門)

内容 確認事項
セーフティーレビュー 新構造/新材料/新技術に対する技術的検討

・品質(成型性・生産性等)
・機能性、安全性
・スケジュール
・パテント
・外部検証データ必要有無の確認

プレデザインレビュー 新構造/新材料/新技術の採用可否判断 ・チェックリスト項目の確認
・新構造/新材料/新技術の採用可否の判断
デザインレビュー① サンプル検討 ・チェックリスト項目の確認
・2回目のデザインレビューの必要性の判断
・実履きテストの必要性有無の判断等
・機能性表示の確認
(景品表示法等)
デザインレビュー② サンプル発注に向けての仕様検討、決定 ・チェックリスト項目の確認
・前回指摘項目の確認
・量産時注意点の確認
デザインレビュー③ サンプルの仕様確認

海外グループ会社での検査員認定制度の運用

シューズの委託先工場に配置している海外グループ会社の検査員が、一定のレベルで検査実施および判定ができるように、検査員認定制度(ミズノフットウエア テストインストラクター認定制度)を運用しています。

ISO9001の認証

ミズノでは、安全性と品質の確保のため、品質管理の国際規格ISO9001の認証を取得し継続維持しています。

取得年 取得事業所
2001年 セノー株式会社
2004年 上海ミズノ
2006年 ミズノテクニクス株式会社
台湾ミズノ

製品に含まれる制限化学物質の管理

ミズノでは、安全で適正な品質の製品を提供するために、製造および販売する製品における制限化学物質管理の遵守事項を「化学物質管理規定」として定め、運用しています。この規定に基づき、各国法などで禁止・制限されている化学物質※1とその許容基準などをリスト化し、製品について調査・確認を行ったうえで商品化しています。

※1 特に危険度の高い制限化学物質として代表的なものは、POPs条約、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(第一種特定)、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」、欧州REACH規則付属14.17に規定される化学物質等

品質保証部と法務部は化学物質管理に必要な規定や手順などを整備し、製品を管轄する各プロダクト部門(フットウエア、アパレル、イクイップメント)に教育・指導を行っています。また、年度目標をプロダクト部門ごとに調整の上、管理活動の定期的な確認等を行っています。 サプライヤーに対しては、使用する可能性のある化学物質の種類に応じて、化学物質調査表による報告や基準適合誓約書の提出を求めています。また、製品や素材の一部について第三者試験機関による抜き取り検査※2を実施し、製品や素材の安全性を検証しています。化学物質調査報告や分析結果で懸念物質が特定された場合は、環境影響の低減を求め仕入先に申入れを行っています。また、委託先の生産現場で使用されている化学物質の取り扱いが適正に行われるよう改善提案するほか、環境影響が低い化学物質への代替を改善提案しています。

※2 特定芳香族アミンを生成する特定アゾ色素の不含有確認試験、欧州向け製品について欧州REACH規則の遵守確認試験など

AFIRMへの加盟

ミズノは2019年1月、制限化学物質の運用の簡易化と管理の強化を目的に、国際的な制限化学物質リスト管理団体であるAFIRM(エーファーム)に加盟いたしました。【AFIRM:Apparel and Footwear International RSL Management Group
 (RSL=Restricted Substances List) AFIRMの代表的な加盟企業:adidas, Amazon, Asics、Descente,Decathlon, Esprit, Hugo Boss, Lacoste, New Balance, Nike, Pentland, Puma, Skechers, Under Armour, など】

ミズノではAFIRMからの情報を基に、世界基準の制限化学物質リストを作成し、サプライチェーンにおいて製品に残留する化学物質のリスク管理を行っています。 また、業界内での情報共有や連携を進め、コンプライアンスの向上を図っていきます。

ミズノでは株式会社アシックスと協力し、制限する化学物質の日本語での呼称を統一しました。 これにより、日本でのサプライチェーン内における制限化学物質の管理が容易になることが期待できます。また、AFIRMが発行する種々の資料の日本語版を共同で作成し、AFIRMのホームページに公開しました。 これらの資料は、AFIRMのメンバーでなくても自由に閲覧・使用することが可能です。今後も日本における製品残留化学物質の管理レベル向上に貢献していきます。

2019年度はAFIRMの資料に基づき、国際基準の制限物質リストを作成し、サプライヤーに配布しました。 さらに、それらのサプライヤーに対して管理実態の把握のための、アンケート調査と訪問監査を実施しました。 化学物質管理は喫緊の課題であり、担当者の制限化学物質管理に対する意識および知識向上が急務です。そのため、わかり易い教育資料の作成と機会を提供していきます

従業員の意識向上に向けた取組み

品質に関する教育の実施

ミズノでは、製品の安全と品質を担うのは、ミズノグループ従業員一人ひとりの意識と実践であり、品質管理は特定の部門ではなくグループ組織全体で取り組むものと考えています。創業者・水野利八の「ええもん作んなはれや」の精神を根付かせ、組織的かつ継続的に品質の維持向上に取り組むために「ミズノ品質教育大綱」を制定し、品質保証部が開催する全社品質教育と、各部門で行う部門別品質教育を実施しています。今後も品質に関する従業員教育を体系的・計画的に実施していきます。

品質に関する主な研修[*d]

全社品質講座
(内容) 品質管理に関する基本的ルールの知識習得
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門等
(実績) 2019年度は延べ12講座、732人参加
顧客対応講座
(内容) 顧客対応に関する基礎知識習得
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門、小売、カスタマーセンター等
(実績) 2019年度は延べ3講座、199人参加
QC検定受験勉強会
(内容) 品質管理スキルの向上のための自己啓発の促進として実施
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門、事業企画、営業部等
(実績) 2020年3月現在でQC検定資格保有者 209人
プロダクト部門品質教育
(内容) 3つのプロダクト部門が独自に品質関連専門知識向上のために実施
【対象】企画、生産、ソーシング、開発部門等
(実績) 2019年度は延べ114講座、2,458人参加

品質を支える技術の伝承

ミズノの品質へのこだわりを支えるのが、卓越した技術をもつ職人(クラフトマン)の存在です。ミズノ品質を支える"匠の技"を磨き、伝承していくために、多くのミズノ製品の製造を担うミズノテクニクス株式会社においては「ミズノテクニクス技能検定制度」を設け、優秀なクラフトマンの育成、技能職従業員の活性化、その技術レベルの向上を図っています。また、匠の技を保有している従業員には「マイスター」「クラフト」という称号を与え、手当を支給しています。2020年3月末現在の認定者は、マイスター2人、クラフト25人です。

ミズノテクニクス株式会社~品質を向上させていく仕組み~

ミズノテクニクス株式会社は、ゴルフクラブや野球バット・グラブ、バドミントンラケット、スポーツシューズ、スポーツアパレル等の多くのミズノ製品の製造を担う自社工場です。また、近年ではスポーツ用品製造のノウハウを活用したカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)が、航空機、鉄道車両、自動車、電化製品などスポーツ用品以外でも数多くの産業分野で採用されています。 ミズノテクニクスの有するモノづくりの技術やノウハウはプロ選手・プロチームからの信頼も厚く、その期待に応え続けるためには、従業員一人ひとりの一層の技術向上と技の伝承が欠かせません。そのため、ミズノテクニクス株式会社では、ISO9001を基に品質を向上させていく仕組みを構築し、運用しています。 ①2ヶ月に一回の「QMS ( Quality Management System品質マネジメントシステム) 推進委員会」:各課で選任された「QMS推進委員」に対してQMS事項の報告と教育を実施
②2ヶ月に一回の「ミズノテクニクス品質教育」:品質保証課で資料を作成し、教育を実施

品質月間の取り組み

ミズノでは毎年11月を品質月間と定め、グループ全従業員を対象にさまざまな活動を行っています。2019年度は品質標語、社員品質意識調査、外部講師による品質講座等を実施し、のべ4,979人が活動に参加しました。特に、今回で10回目となる品質標語には3,336人からユニークな作品が集まりました。応募作品は全社審査を行い特賞作品を決定し表彰しています。 これらの活動は、従業員がミズノ製品・サービスの品質について改めて考える機会となっており、品質向上や顧客満足の向上につながっています。

今後の課題

  • デザインレビューの精度向上と効率化を通じた不良の未然防止を図ります。
  • 世界的な化学物質規制強化の動きに対応すべく、海外グループ会社と連携したグローバル管理体制の構築を進めます。
  • 制限化学物質の使用に関して、用具、アパレル、シューズなどのアイテムごとの管理手法の強化を進めます。
  • 品質安定化の実現のために、品質教育大綱に基づく品質教育を年間計画に沿って確実に進めていきます。