ミズノパワーアシストスーツで体への負荷を減らし、働く人を重力から解放
運送業や農作業の現場では、腰痛の悩みを持ちながら働いている人が多くいます。特に低い位置にある重いものを持ち上げたり移動させたりするシーンでは、腰椎や骨盤の間に大きな力が発生し、ヘルニアや腰椎分離症の原因となることもあります。ミズノでは人々がよりアクティブに暮らす活気ある世界「POWERED LIFE」の実現を目指し、働く人々の毎日の作業による身体的負担を軽減するため、ミズノパワーアシストスーツを開発しました。
ライフ&ヘルス事業部のビジョン「POWERED LIFE」のコンセプトは、「あなたの人生にグッドパフォーマンスを。」をキャッチフレーズに、あなたの人生を、世界を変えていくことを目指しています。今回も多様なライフスタイルに対応する製品開発のひとつとして「重力から解放したい」という思いがあり、今回はその思いを実現させるために「体をアシストする」ソリューション開発に取り組みました。
まず、重量物の持ち上げ作業に注目し、持ち上げ動作による腰への負荷を筋骨格シミュレーションソフトにより可視化。作業のメカニズムについて研究しました。
さらに、シミュレーション上でミズノパワーアシストスーツを装着させ、アシスト力による腰への負荷軽減度合いを算出した結果、約15%程度の負荷軽減効果を目指すこととしました。さらに既存のパワーアシストスーツが使われている現場に赴き、課題とニーズを調査。「重い」、「動きにくい」、「価格が高い」という3つの課題と、「農業や物流など、人の替えがききにくい現場にニーズがある」ことを把握しました。
今回の開発においては、POWERED LIFEの考え方に共感してくれたアシスト機構の開発を得意とする朝日インテックグループのトヨフレックス株式会社(代表取締役:宮田 憲次)との共創が成功をもたらしました。ミズノが持つ「人を中心としたメカニズムを理解して、目的に合わせて製品をデザインする技術」とトヨフレックスが持つ「アシスト機構のノウハウ」が相互作用した結果、軽くて動きやすいミズノパワーアシストスーツが誕生しました。
ミズノパワーアシストスーツの特長は『ラク』であること。スーツ自体がわずか約3.2kgと軽くてスリム、ウエアタイプで羽織るような軽やかな着用感、動力にゼンマイバネを使用した非電動メカニズムなど、毎日着用したくなるほどいつでも簡単に着用できるように仕上げることで、毎日『ラク』を感じられる製品をめざしています。
腰部骨盤ベルトやアダプトサポーター、機能性インナーなどの従来製品も、今回開発したミズノパワーアシストスーツと同じ体アシスト製品のひとつと言えます。今後もミズノではスポーツテクノロジーを駆使しながら、体アシスト製品の開発を推進し、作業の現場で働く人々の体への負荷を減らすことで、健康かつ元気にする挑戦を継続していきます。