より楽な移動を目指すCFRP板バネフットギアの開発

より楽な移動を目指すCFRP板バネフットギアの開発

近年、テクノロジーの進化により人間の能力を進化、増強させる技術や考え方として「人間拡張(Human Augmentation)技術」が注目されています。スポーツ業界における「カーボン義足」や「厚底シューズのカーボンプレート」などもその技術の一例です。着用することで失った能力を補い、現状の身体能力を飛躍的に高めることができます。
ミズノのグローバル研究開発部でもさまざまな人間拡張技術の研究・開発に取り組む中で、カーボン技術を応用して移動能力を拡張できるのではないかと考え、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネを搭載することで、より楽に移動できることを目指したフットギアの開発を行いました。

開発のポイント

社会の変化を踏まえ、ミズノがこれまで培ってきたカーボン設計・加工技術を移動能力の拡張に活用することで、新しい移動方法を提案できるのではないかと考えました。
そして、グローバル研究開発部では自転車や電動キックボードのような移動手段ではなく、「履き物」を「モビリティ(移動手段)」のひとつと捉え、自らの体を使って移動範囲を広げ、ラクに楽しむフットギアの開発を目指すことにしました。

イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」での試作・検証

フットギア開発では、競技用義足の板バネ研究開発で培ったカーボン技術を生かし、CFRP板バネを採用、さらにアッパー部は陸上スパイクから着想を得るなど、これまでのシューズ作製のノウハウを生かしています。また、3Dプリンターなどの新しい技術を用い、最新の機器が揃うイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で研究開発に取り組むことで、試作における大幅な期間短縮や開発費抑制を実現しました。
開発と並行して新規の検証方法や品質基準の確立が必要であり、素材単体の検証はもちろん、バイオメカニクスによる検証も試行錯誤を重ねました。

カーデザイナー山本卓身氏との共創によるデザイン開発

デザインは、カーデザイナーの山本卓身氏との共創によって生まれました。山本氏は、「デザインでより良い世界を。」をモットーに、スプーンから空飛ぶ自動車、さらには船舶に至るまで幅広いプロダクトデザインを手掛けています。今回は、「履き物はモビリティの原点」と捉え、CFRP板バネフットギアの開発においてコンセプトの立案からデザインまで、共に新しい価値を創造しコンセプトモデルの共創が実現しました。

展示会への出展

今回開発したCFRP板バネフットギアコンセプトモデルを「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」と名付け、2025年10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」に出展します。

ミズノは、健常者だけでなく、シニアや障がい者、妊婦、子どもなど、すべての人々が自らの身体を自由自在に操り、今までできなかったことができるようになり、誰もが前向きに「やりたいこと、やろう!」と思える活気ある社会を、ミズノが持つスポーツテクノロジーと人間拡張技術の融合を通じて実現していきます。