軽量性・反発性・安定性を高次元で実現したスピードレーシングシューズの開発
マラソンや駅伝といった陸上競技の長距離種目では、厚底シューズの着用が一般的になりましたが、近年は厚底でありながら超軽量をアピールするシューズが登場するなど、長距離向けレーシングシューズの競争は「軽量化」を軸とした新たな時代に突入しています。
しかし、単純に軽量化を進めるだけでは、厚底レーシングシューズのメリットである反発性が損なわれる可能性があります。また、安定性が著しく欠如することも懸念されます。今回ミズノでは、これまで培った技術や知見を生かした素材開発や技術革新に取り組みました。その結果、独自の高反発ミッドソール素材『MIZUNO ENERZY XP』やカーボンファイバープレートを進化させて採用し、片方約137g※1でありながら反発性や安定性を高次元で実現可能なトップモデル「HYPERWARP PURE」を開発しました。
※1 27.0cmの場合

開発のポイント
ミズノではランニング市場の調査やトップランナーからの意見を収集した結果、軽量性のみに特化せず、反発性や安定性も含めた三つのバランスを保ちながら軽量化を徹底して開発を進めることとしました。
そのカギとなったのが「共創」です。今回は、ミズノ社内の設計、材料開発、企画、研究開発、販促・営業の各担当者の共創により、ミズノ独自のミッドソール素材『MIZUNO ENERZY XP』や3D形状のカーボンファイバープレートを開発し、さらに開発精度や開発速度の向上を実現しました。
共創プロセス1 ミッドソール素材開発
ミッドソール素材を開発するにあたり、海外の生産地に設計担当者と材料開発担当者が実際に赴き、軽量性および反発性の機能について追求を重ねました。その結果、軽量ながら高い反発性を有するミズノ独自のミッドソール素材『MIZUNO ENERZY XP』のライトウエイトバージョンを新たに開発。これにより大幅な軽量化を実現したシューズ「HYPERWARP PURE」の開発につながりました。
さらに、トップミッドソールにライトウエイトバージョンの『MIZUNO ENERZY XP』を搭載し、ボトムミッドソールには柔らかさを調整した『MIZUNO ENERZY XP』を搭載することで、反発性と安定性を高次元で両立したシューズ「HYPERWARP ELITE」を開発しました。

共創プロセス2 カーボンファイバープレート開発
設計担当と研究開発部門の共創による、新たなカーボンファイバープレートの開発にも着手しました。競技用義足の開発で培ったカーボン技術のノウハウを生かし、一般的には困難とされているカーボンファイバープレートの3D成型技術を実現した『SMOOTH SPEED PLATE(スムーズスピードプレート)』を開発しました。
加えて、レーシングシューズに求められる機能に絞ってカーボンファイバーの配置を工夫したことで、従来プレートと比較して約240%の剛性※2を達成し、同時に軽量化も実現しました。
※2「WAVE REBELLION PRO LOW」との比較による

共創プロセス3 開発精度と開発速度の向上
企画段階から設計担当が企画担当、販促・営業担当とともにトップランナーのもとに何度も訪問してヒアリングを重ね、意見やコメントの内容を設計要素に落とし込み、開発するポイントを明確にしていきました。迅速に開発ポイントの検証を行うため、イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で、開発品の試作や検証を実施し、再度トップランナーへのヒアリングを行いました。その結果、開発精度が高まり、ものづくりの開発速度が向上しました。
商品化の実現とシリーズ展開
今回開発した「HYPERWARP PURE」、「HYPERWARP ELITE」、「HYPERWARP PRO」の3アイテムは「HYPERWARP」シリーズとして商品化し、2025年12月19日に発売しました。ミズノが提案する新たなスピードランナー向けレーシングシューズとして展開しています。

これからもミズノは部門を越えた共創に取り組みながら、選手たちの意見を大切にした製品開発を行うことでより良いスポーツ品を提供し、あらゆるスポーツシーンを支えてまいります。