他競技の知見を生かし、ドライバーの“飛び”の価値を刷新
ゴルフにおいてティーショットの際に使用するドライバーは、最も飛距離が出るクラブです。スコアアップを目指すゴルファーにとって、ドライバーの“飛び”は大きな武器となります。
ミズノでは、1933年のゴルフクラブ販売開始以来、1982年にはカーボンヘッド、1990年にはチタンヘッドと、ドライバー開発における世界初の新技術を数多く生み出してきました。
今回は、既存のゴルフ用具開発の延長線上にはとどまらない新しい構造や材料を模索するため、ミズノの用具開発技術者が競技や種目を超えて共創することで、ミズノゴルフが持つ技術や飛距離性能の更新を目指しました。その結果、ミズノ史上最高のボール初速を実現するドライバー「JPX ONE」が完成しました。
共創プロセス
今回の開発では、ゴルフ用具開発における共創プロセスの一環として、野球をはじめとする他競技の用具開発に取り組むミズノ技術者がアイデアを持ち寄るワークショップや議論の場を設けました。こうした機会を通じ、ミズノの軟式野球用バット「ビヨンドマックス」などの他競技で使われている用具の材料や知見に着目することができ、それが開発のきっかけとなりました。
また、本プロジェクトはミズノのものづくりにおけるイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」設立前から始動しており、結果的に他競技との共創という点で「MIZUNO ENGINE」の思想を先んじて体現する取り組みとなりました。
「ビヨンドマックス」の反発設計の発想がヒントに
今回の新製品ドライバー「JPX ONE」開発における大きなヒントとなったのは、ミズノの軟式野球用バット「ビヨンドマックス」の「ボールを過度につぶさずエネルギー効率を高める」という反発設計の発想です。こうしたゴルフ用具に野球や他競技の用具で培ったノウハウや知見を活用するという共創プロセスは、総合スポーツ用品メーカーであるミズノだからこそ実現できたと考えています。また、「MIZUNO ENGINE」に新たに導入したマルチ反発試験機が、反発現象の解明に大きな役割を果たしました。


マルチ反発試験機
そして、この発想をゴルフクラブで実現するカギとなったのが、複数のポリマーをナノメートルオーダーで微分散させる東レ独自の技術により生まれた機能性材料『NANOALLOY®』でした。衝撃時に柔らかくなる特性を備えた『NANOALLOY®』を0.4mmの極薄シート状にしてフェース表面に用いました。これにより、フェース全体のインパクト時のたわみを増幅させてボールの変形を抑えることで、エネルギーロスの低減を実現しています。加えて、『NANOALLOY®』に合わせて専用設計した新CORTECHフェースにより、高初速エリアの拡大も狙っています。

デザインのこだわり
「JPX ONE」は、『NANOALLOY®』をクラブフェース表面に見える状態で製品化し、ゴルフクラブでは珍しい青色を基調とした配色にするなど、製品の革新性が一目で分かるデザインに仕上げました。デザインで機能を見える化することにより、スペック以外の“違いが一目でわかる体験価値”を創造できました。
商品化の実現
当初計画から発売時期を1年見直してでも反発性能や耐久性、量産性、コスト、デザインまで含めた商品完成度を高めることにこだわった結果、2026年3月に「JPX ONE」として発売しました。
「JPX ONE」は、単なる新素材搭載のドライバーではなく、さまざまな競技の知見や技術を備え、磨き続けてきたミズノにしか生み出せないドライバーです。
ミズノはこの一打によって、もう一度“飛び”の価値を提案していまいります。