CO2排出量削減への取り組みとKPI
ミズノのCO2排出量
ミズノのCO2排出量の中でScope3(他社間接排出)が占める割合は97%(2020年度)、うち約80%をカテゴリー1の「購入した製品・サービス」が占めています※1。
※1 サステナビリティレポート2021より
https://corp.mizuno.com/jp/sustainability/sustainability-report/environment/energy/
Scope1(自社直接排出)、Scope2(自社間接排出)はもちろん、Scope3におけるCO2排出削減に向けた取り組みを、外部パートナーと協力し重点的に実施しています。
CO2排出量削減への取り組み – Scope3
環境負荷の低い素材や製造工程の積極採用
アパレル・フットウエア・用具の各カテゴリーにおいて、環境負荷の低い素材や製造工程を採用できるよう、商品企画段階から検討しています。
スポーツ品として必要な機能性を備えることと環境負荷低減の両立を目指し、積極的な活動を行っています。
各素材・工程の紹介
■植物由来原料を使用したウエーブプレート
ミズノの主要なシューズにはミズノの基幹機能である『ミズノウエーブ』が搭載されています。シューズに求められるクッション性と安定性という二律背反を解決するため、シューズのソール部に波形形状を取り入れることで、縦方向の衝撃を分散、吸収し、横方向のズレには安定性を発揮します。
この機能を実現するためにソール部に挿入されている『ウエーブプレート』には、植物(トウゴマ)を原料とする、アルケマ株式会社 Pebax® Rnew®/Rilsan®という樹脂が主原料の一部として採用されています。
これらの『ウエーブプレート』は、複数のモデルのシューズで10年以上展開しており、現在までに全世界で累計1,000万足以上販売しています。一般的な石油由来原料を使用した場合と比較して、累計4,700トン以上のCO2排出量削減を達成することができ、環境負荷の低減と機能性の両立を実現しています※2。
※2 石油由来材料の使用削減による環境配慮だけではなく、インド原産の非可食の植物であるトウゴマは半乾燥で痩せた土壌でもよく生育し、栽培による森林破壊を引き起こさないため、その点においても環境への配慮を行っています。
採用カテゴリー/アイテム:ランニングシューズの一部商品
■米の籾殻を再利用したウエア/アクセサリー
ミズノが展開する【EM】SELECTIONの一部商品にソニーグループ株式会社が開発した、米の籾殻由来のTriporous™(トリポーラス)を採用しています。
米の籾殻は日本で約200万トン、世界で1億トン以上排出されている余剰バイオマスです。世界中で大量に排出されている籾殻をリサイクルすることにより、環境に配慮した循環型社会の実現に貢献します。
Triporous™(トリポーラス)はソニーグループ株式会社の商標です。
採用カテゴリー/アイテム:Tシャツ、マウスカバー、ソックス、タオルの一部商品
■ペットボトルをリサイクルした素材使用のライフスタイルアパレル
ミズノではペットボトルをリサイクルした素材を使用したライフスタイルアパレルを展開しています。
これらは
半袖Tシャツ1枚で、500㎖ペットボトル約11本分
長袖Tシャツ1枚で、500㎖ペットボトル約13本分
ワンピース1枚で、500㎖ペットボトル約17本分
のペットボトル由来の材料を使用しています。
採用カテゴリー/アイテム: Tシャツ、ワンピースの一部商品
■茶殻をリサイクルした人工芝の充填材
株式会社伊藤園(以下、伊藤園)と共同で、伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用し、人工芝の充填材「Field Chip G (Greentea)」を開発しました。
「Field Chip G」は、ロングパイル人工芝サッカー場1面で全量使用した場合、「お~いお茶」525mlペットボトル約43万本分の茶殻を配合しています。茶殻にはお茶の樹木が吸収した二酸化炭素が蓄えられているため、茶殻をリサイクルした本製品はサッカー場1面あたり、大気中にある約4.3トンの二酸化炭素を削減できる計算となります※3。さらに、黒ゴムチップの充填材と比較して表面温度の上昇を約7℃抑制することができます。
※3 ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業株式会社製)により炭素量を測定
採用カテゴリー/アイテム: 人工芝の充填材「Field Chip G (Greentea)」
■環境配慮された野球ボール包装資材
ミズノは、一般社団法人日本野球機構(NPB)に供給する統一試合球の包装資材に湿気(水分)と光からボールを守る『GL BARRIER(ジーエル バリア)』を採用しています。
これまで統一試合球の包装は、保管時の温度、湿度の影響を最小限にし、紫外線の影響による変色を防ぐため、アルミ箔と透明フィルムの2つの資材を使用していました。今回、包装資材に『GL BARRIER』を採用することで、アルミ箔を使用せずに同等以上の状態でボールを保つことができます。これにより、従来の包装資材と比べて、CO2の排出量を年間約1.7トン削減※4できる見込みです。
※4 原料採掘~使用後の廃棄まで(凸版印刷株式会社、ミズノ調べ)
採用カテゴリー/アイテム:一般社団法人日本野球機構(NPB)に供給する統一試合球の包装資材
CO2排出量削減への取り組み – KPI
Scope3に関する社内KPI設定
アパレル・フットウエア・用具の各プロダクト本部では、2030~50年の環境目標達成へ向け、社内目標を設定しています。
アパレル・フットウエア両プロダクト本部では、環境配慮型商品の開発促進のために、リサイクル素材・植物由来合成素材・生分解性合成素材使用や、製造工程における水使用削減に関する社内基準を設定し、目標値と実績管理を実施しています。
カーボン、革(人工/合成皮革を含む)、金属など、使用する素材の廃棄段階におけるCO2排出への影響が大きい、用具のプロダクト部では、製造工程における材料ロス削減について、目標値と実績管理を実施しています。
KPI
アパレル | 環境配慮型商品 2028年100% (新製品全カテゴリ) |
---|---|
フットウエア | 環境配慮型商品 2027年100% (新製品全カテゴリ) |
用具 | 製造工程における材料ロス削減、製造時に使用するエネルギー量削減、副資材削減・簡素化 2030年30%削減 (対2018年比) |
Scope1,2
2030年CO₂排出量30%削減(対2018年比)に向け、排出比率の高いガソリンと電気に注力し、CO2排出量前年比3%削減を目標に推進しています。