『地域との共創』が生んだ地産地消グラブ「宍粟牛グラブ」

『地域との共創』が生んだ地産地消グラブ「宍粟牛グラブ」

ミズノのものづくりは、工場が所在する地域の方々とのつながりに大きく支えられています。国内グラブ生産拠点である波賀工場(ミズノテクニクス株式会社波賀工場)が位置する兵庫県宍粟(しそう)地域は、豊かで美しい水流を誇る揖保川沿いに位置しており、伝統的な地場産業として皮革産業が有名な地域です。ミズノは、地域や人々との大切なつながりを背景とする『地産地消』をテーマに、新たな生産モデルに挑戦しました。
今回誕生した「宍粟牛グラブ」は、国内グラブ生産拠点である波賀工場がある宍粟地域を舞台に、宍粟地域で育った国産和牛の皮革を使い、波賀工場で製作された地産地消グラブです。

一般的に日本国内で生産されている野球用グラブは、海外から輸入した上質な牛革を用いますが、今回のプロジェクトで使われているのは、兵庫県宍粟市にある岸本牧場で食用として丁寧に育てられたブランド牛「宍粟牛」の皮。食用牛では、本来廃棄される副産物の「皮」を宍粟地域の職人たちの技術と情熱で「革」に加工し、初めてグラブ素材として使用しています。

従来は廃棄されていた宍粟牛の「皮」を廃棄せず、グラブ用の「革」の材料として出荷することは、牛を育てる畜産家にとっても新しい挑戦です。この挑戦の原動力となったのが『地域の絆』でした。この企画の発案者は宍粟地域出身のグラブクラフトマン。彼の呼びかけに宍粟地域の畜産家が呼応し、「同じ宍粟地域にある波賀工場で長年グラブ製作に取り組んできたミズノさんだから」と、『地域との共創』が実現しました。

宍粟牛のような和牛の革は繊維が詰まっていて硬く、通常はミット類に使います。今回の地産地消グラブ「宍粟牛グラブ」では、そのような革をグラブに使うため、宍粟牛の革をグラブ用に仕上げるための工程を増やしたほか、専用のグラブ型を新たに用意したり、限られたクラフトマンだけが生産に携わるなど、特別な生産体制を敷いています。
そんな宍粟牛グラブの最大の特長は、カッチリ感の中にある柔らかい風合い。さらに重さの割に軽快さを感じるため、グラブを速く動かして捕球地点までいち早く到達できるイメージが生まれます。

今回の取り組みは和牛の革に新たな価値を宿すとともに、『地域との共創』という観点からも新たな一歩につながると感じています。この「唯一無二のすばらしさ」をもった宍粟牛グラブから、宍粟地域の方々やグラブクラフトマンの『地域との共創』へ向けた思いを感じていただけたら幸いです。
今後もミズノでは、地域の皆さまとの共創に取り組み、地産地消をテーマにした新たな生産モデルに挑戦するとともに、グラブという製品を通じて持続可能な社会実現への貢献をめざします。

地域の絆を力に、最高のパフォーマンスを「宍粟牛グラブ」

https://jpn.mizuno.com/baseball/products/shiso