ミズノでは、「ミスを怒らず、みんなで助け合う」を理念に掲げた学童野球大会「ミズノベースボールドリームカップジュニアトーナメント」を開催しています。

スポーツ界では技量向上のために、時に厳しすぎる指導が子どもたちに行われることもありましたが、この大会を通して、野球というスポーツの楽しさを、純粋に、より多くの子どもたちに感じてもらいたいと考えています。
そのために試合中は、指導者、保護者が子どもたちを怒ることを禁止しています。

また、野球のルールでは、交代で一度退いた選手は再度出場することはできませんが、この大会では1人でも多くの子どもたちが出場機会を得られるよう、一度退いても、再度試合に出場できるルールを設けています。さらに、野球をしたことがない子どもたちでも気軽に参加できるよう、ユニフォームがそろっていなくても、参加できるようにしています。用具の準備がないチームには、ミズノから貸し出しも行っています。

ミズノは誰もがスポーツをしたり、体を動かしたりすることができる場づくりや、プログラムの開発を進めています。

一般社団法人世界ゆるスポーツ協会と共同で、「500歩サッカー」を開発し、商業施設や企業、自治体向けに販売しています。

「500歩サッカー」はプレーヤー全員に500歩という制限を設けることで、サッカーの技量や性別・年齢などに関係なく、誰もが一緒に楽しめるスポーツです。また、多くの人が初めてチャレンジするスポーツのため、戦略をチームで立てる必要があり、自然とコミュニケーションが生まれる点も魅力です。

ミズノが開発した専用アプリが搭載されたスマートフォンと、アプリに連動して残り歩数が示され光るLEDポーチを腰の背中側につけプレーします。スマートフォンで歩数がカウントされ、1人500歩の持ち歩数が0歩になったら即退場となります。走るなど早い動きをすると、振動がスマートフォンに伝わり、その分歩数が早く減ってしまうため、体力や技術以上にチームでの戦略がカギとなります。

近年、競技会場などにおいて性的な目的で女性アスリートの画像や動画が撮影され、それがインターネットで拡散される被害が各種メディアなどで取り上げられています。そこでミズノでは、盗撮被害の抑制につながる「赤外線防透け」の特長を備えた生地を開発しました。

アスリートに対する盗撮問題には、アスリートはもちろんのこと競技団体も非常に頭を悩ませています。実際に、競技団体や競技主催者は盗撮被害を未然に防ぎたいと考えており、競技会場での呼びかけや撮影に関する制限といった対策を行っています。しかしながら、競技場内での撮影を完全にコントロールすることは難しく、撮影機器も年々高機能化しており、解決が難しい問題となっています。特に近年は、可視光カメラだけではなく赤外線カメラを使用し、ユニフォームの内側の下着や身体まで盗撮されてしまうといった被害が実際に起きています。

ミズノは、視覚障がい者の方に向けた白杖「ミズノケーンST」を商品化しました。

商品コンセプトは、“持って出かけたくなる白杖”で、ミズノと協力いただいた一般社団法人PLAYERSが共に多様な当事者との対話を通じて設定しました。このコンセプトのもと、ミズノが総合スポーツ用品メーカーとして培ってきた知見と技術を生かし、扱いやすい機能性とスポーティーなデザイン性を追求した白杖が完成しました。
まず今回の開発をまえに、PLAYERSとともに白杖に求められるものについて261名の視覚障がい者の方にアンケートを実施しました。その結果、 “丈夫さ”と“軽さ”が求められていることが分かりました。“丈夫さ”を追求するために、ミズノがゴルフクラブのシャフト開発で培ったカーボン設計・加工技術を活用し、白杖に必要な強度と軽さを実現しました。また一般的な直杖※1と違い、先端に向かって直径が細くなる設計を採用することで一般的な直杖のシャフト重量が約100gであるのに対し、ミズノのシャフトは約70gと軽量化を実現しました。

※1 つなぎ目のない杖

従来、スポーツ用の義足板バネ(ブレード)は、記録の更新や競技会での順位を競うトップアスリート向けのものばかりでした。
歩くことを目的にした日常用義足では走れない上、走ることを可能にするスポーツ用義足板バネは、高価でメンテナンスや調整が難しいとされています。そのため一般の下肢切断者は、走る動きを伴うスポーツを楽しむことを諦めるしかないのが現実でした。

そんな中、2021年の国際大会では、ミズノと総合福祉機器メーカーの今仙技術研究所が共同開発したトップアスリート向けスポーツ義足板バネ「KATANAΣ(カタナシグマ)」を履いた選手が出場し、日本の義足板バネ技術を世界に披露しました。さらにトップ選手向け義足板バネを開発した際に得られたノウハウを生かし、義足を装着して初めて走る人を対象としたエントリー層モデル「KATANAα(カタナアルファ)」を開発しました。「KATANAα」は日常用義足から簡単に交換できる上、従来のスポーツ用義足板バネよりもリーズナブルな価格を実現しています。これにより下肢切断者も気軽に走る動きを伴うスポーツを楽しめるようになります。

ミズノが管理・運営している足立区総合スポーツセンター(東京都足立区)には、障がいの有無に関係なくスポーツを楽しめる場所「スペシャルクライフコート」があります。

スペシャルクライフコートとは、オランダの元サッカー選手ヨハン・クライフ氏が設立した「ヨハン・クライフ財団※1」が世界各国に設置しているバリアフリー対応の多目的スポーツ施設で、アジア圏では足立区※2総合スポーツセンターに初めて設置されました。

※1 子どもにスポーツを楽しむ機会を与えることを目的として、オランダの元サッカー選手ヨハン・クライフ氏が1997年に設立した財団
※2 足立区は、2017年からオランダ連携事業「Game Changerプロジェクト-パラスポーツで社会を変える-」プロジェクトを開始しており、パラスポーツの力を活用して地域における社会課題の解決をはかる取組を進めています。

江戸川区は、障がいのある方のスポーツ実施率向上を目指し、パラスポーツの先進国であるオランダを参考に「オランダクラブ」事業を展開し、継続的に運動ができる教室事業などを実施しています。

ミズノは、管理・運営をしている江戸川区総合体育館において、障がいのある方でも継続的に運動ができるプログラムを提供しています。
障がいの有無に関係なく、小学生以上であれば参加ができるボッチャレベルアップ教室や、障がいのある方が参加できる、なかよし運動教室、エアロビクス、水泳、バスケットボールの教室を開催しています。
講師は、障がいのある方を長年指導したり、特別支援学校教諭の方など、指導に実績を持つ方ばかりで、現地に勤務するミズノスポーツサービス株式会社のスタッフも障がいのある方にスポーツを楽しんでいただくため、「初級障がい者スポーツ指導員」の資格を取得しています。

ミズノは、地域と一体となって、施設におけるスポーツ教室などの場の提供と、それらをサポートする障がい者スポーツ指導員の活動を通じて、いつでも、障がいの有無に関係なく誰もが、自由にスポーツを楽しめる豊かな未来を育んでいきます。

私たちは、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みである「国連グローバル・コンパクト」に署名しました。

「国連グローバル・コンパクト」は、1999年に当時の国連事務総長であるコフィー・アナン氏が提唱し、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止に関わる10の原則を世界各国の参加企業・団体に実践することを求めるものです。

この枠組みに賛同し、サステナビリティ活動をグローバルレベルでさらに加速させ、輝く未来の実現に向けて取り組んでいきます。

国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
https://www.ungcjn.org/

私たちは、総合福祉機器メーカーである今仙技術研究所(岐阜県・日本)と共同で、スポーツ用義足の板バネ開発に取り組んでいます。スポーツ用義足の板バネは着用される選手の障がいの種類や程度、パフォーマンスにより様々なフィッティングが必要です。

野球やゴルフなどの用具開発で長年培ってきたカーボン加工技術やその他様々な競技スポーツのノウハウを駆使して、パラアスリートがより高いパフォーマンスを出せるよう開発を進めています。

開発された板バネは、日本の女子トップパラ陸上選手である髙桑早生選手(NTT東日本、義足T64クラス100m、200mおよび走り幅跳び)が使用しています。

私たちが持つ独自の技術と、志をともにする私たちのパートナーの力を融合させ、スポーツを愛する全ての人を支え、一歩先に進みたい人々の想いを実現することに貢献します。

1906年の創業以来、私たちが常に大切にしてきた価値観の一つがフェアプレー。

私たちの製品は世界各国で生産を支える人たちによって、生み出されています。その人たちの人権や安全衛生に問題があっては、私たちのモノづくりは成立しません。私たちは、2004年からサプライチェーン上の仕入先やOEM工場等における人々の人権や安全衛生を含む労働状況や、社会への配慮に問題がないかを確認するため、工場の現地でCSR監査を継続的に実施してきました。

改善すべき重大な問題が見つかった場合には、ミズノのモノづくりに関わる人たちが安心できる労働環境となるように仕入先や工場に働きかけます。

今後もフェアプレーの精神にのっとり、全ての人々が笑顔で輝ける労働環境の維持のため活動を続けます。