子どもたちに大人気の新幹線が、子ども用の野球バットに生まれ変わりました。

JR東海グループでは、廃車となった東海道新幹線の車体から出る大量のアルミニウムをリサイクルする手法を確立し、特許を取得しました。この『東海道新幹線アルミ』はアルミニウムを新製する場合に比べ、CO2排出量を約97%低減する特長があり、同グループではそのさらなる活用先を模索されていました。

一方、ミズノでは、2050年カーボンニュートラルの実現にむけて、様々な環境負荷低減の取り組みを推進しており、特に製品そのものの環境負荷低減が求められていました。

JR東海グループとミズノ、それぞれの課題を持った両社が「夢を追いかける少年少女を応援していきたい」という思いの下で協力し、東海道新幹線のリサイクルアルミニウムを原材料とする子ども用アルミニウムバットを開発しました。

ミズノは、持続可能な社会の構築に向けて「2050年 カーボンニュートラル」の実現を目指しています。

その取り組みの中で、これまでに開発した、フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減したシューズを生み出すことを目指して「WAVE NEO COLLECTION(ウエーブネオコレクション)」の「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」、「WAVE NEO ULTRA(ウエーブネオ ウルトラ)」 を企画・開発しました。これらのシューズは、原材料にリサイクルポリエステルや植物由来材料など、環境に配慮した素材を使用することでCO2排出量を抑制しています。23年8月発売の新色ブラックカラーモデルではアッパーニット材料に、原料自体に染料を混ぜて着色した原着糸を使用することで染色工程の水使用も削減し、環境負荷を低減しています。

野球グラブはプレイヤーにとってできれば長く付き合いたい道具の一つですが、長年使い続けていると汚れ、ほつれ、破れなど劣化が生じます。しかし、修理など手入れをすれば、愛用のグラブを長く使い続けることができます。

ミズノは、1977年からグラブの損傷箇所を補修するリペア活動を行っています。クラフトマンが出張して修理の対応をするワークショップ活動も展開しています。1978年から米国でも同活動を開始しました。
また近年、日本においては野球スパイクの修理も手掛けています。

こうしたリペア活動は2022年4月から2023年3月までの期間でグラブで約2,200件、スパイクで約2,500件実施し※1、これにより約1.8トン※2の廃棄物削減に貢献できたと考えています。

※1 日本におけるリペア件数
※2 ミズノ調べ 

ミズノは誰もがスポーツをしたり、体を動かしたりすることができる場づくりや、プログラムの開発を進めています。

一般社団法人世界ゆるスポーツ協会と共同で、「500歩サッカー」を開発し、商業施設や企業、自治体向けに販売しています。

「500歩サッカー」はプレーヤー全員に500歩という制限を設けることで、サッカーの技量や性別・年齢などに関係なく、誰もが一緒に楽しめるスポーツです。また、多くの人が初めてチャレンジするスポーツのため、戦略をチームで立てる必要があり、自然とコミュニケーションが生まれる点も魅力です。

ミズノが開発した専用アプリが搭載されたスマートフォンと、アプリに連動して残り歩数が示され光るLEDポーチを腰の背中側につけプレーします。スマートフォンで歩数がカウントされ、1人500歩の持ち歩数が0歩になったら即退場となります。走るなど早い動きをすると、振動がスマートフォンに伝わり、その分歩数が早く減ってしまうため、体力や技術以上にチームでの戦略がカギとなります。

ミズノのスポーツ施設サービス事業部では、スポーツ施設の設計・施工も行っており、特にスポーツ用のロングパイル人工芝は全国数多くのグラウンドに採用いただいています。なかでも、「MS CRAFT(エムエス クラフト)シリーズ」は、長年の開発と施工の経験値により生み出された特殊捲縮加工パイル(ミズノスパイラルテクノロジー)により、スポーツに適したフィールドづくりに貢献しています。

この度、MS CRAFTシリーズは環境省が優れた環境技術を普及させるために進めている「環境技術実証(ETV)事業」の実証対象に採択され、温度抑制効果・充填材の流出抑制効果が実証されました。
「ETV事業」は、すでに実用化されている環境技術を、第三者機関が実際の現場などで実証し、その結果を環境省のホームページで公表。広く閲覧可能にすることで、環境技術の普及を支援し、環境保全に役立てることを目的にした事業です。

ミズノの主力製品の一つが木製野球バットです。
日本を中心にプロ野球選手にもその高い品質が評価されています。

木製野球バットの高い品質を維持することはその素材の準備から始まっています。メイプルやホワイトアッシュなど硬くて反発に優れた良質な素材を選び、さらに十分な乾燥工程を経て、職人によるバットの削り出しが行われます。

ただ木材は自然物であるため、節があったりして、製造工程の途中でバットとしては不適格材として利用されない端材が発生します。

ミズノではこれらの端材を有効活用するため、外部の協力会社の力を借りて、木製キーホルダーなどのさまざまなものに加工し、新たなものに生まれ変わらせていただいています。素材が硬く、乾燥がしっかりなされているため、耐久性が高く、また木が醸し出すやわらかさもあって好評を博しています。

ミズノの主力製品の一つが野球グラブです。

良質な革から弾力性や耐久性などを考慮し、野球グラブの各部位に適したパーツを切り出す、革の品質へのこだわりと、熟練のクラフトマンによるモノづくりが多くのプロ野球選手の支持を得ています。

しかし、素材のシワやキズなどで、野球グラブとしては使用できない革が未利用のまま大量に残ってしまうことが一つの課題でした。

そこでミズノでは、それらの残革を財布や名刺入れなどの小物類に生まれ変わらせて販売する活動を続けています。もともと良質な革であることから、野球愛好者だけではなく、幅広い方々に好評をいただいています。

ミズノは1991年から地球環境保全活動に取り組んでいます。リサイクルの推進、廃棄物の削減を通じて、地球環境を守り、豊かな地球環境を次の世代に引き継いでいきたいと考えています。

ミズノは快適なスポーツ環境を提供するため人工芝に関わる商品を開発・販売する事業も行っており、その事業を通じて環境保全にも取り組んでいます。

このたび、「人工芝グラウンドでも、自由にラインを引いて、イベントが終わればきれいにラインを消したい」というご要望にお応えするため、水で落とせて環境にもやさしい人工芝グラウンド用水性ライン塗料「エコメルトライン」を開発しました。

一般的な塗料には、耐久性・定着性を高めるために樹脂(プラスチック)が使用されるケースが多いですが、「エコメルトライン」は樹脂を使用しておらず、水で流してもマイクロプラスチックの発生原因にはなりません。

また「エコメルトライン」は、揮発性有機化合物などを使用せず、人と環境にやさしい素材で作られた中性(ph7.5)の塗料です。ラインを落とすために特殊な薬剤も使用せず、人工芝にも残りにくいので、繰り返し安心してご利用いただけます。

ミズノグループのミズノテクニクス養老工場はミズノの主力事業である野球品、ゴルフ品等の生産を行っています。同工場はミズノの技術力を支える総本山に位置付けられ、経験豊富なクラフトマンがトップアスリートのパフォーマンスを支える商品を日々生み出し続けています。

2023年1月、同工場で最大の棟であるゴルフ製造棟に太陽光パネルを設置しました。
年間約40万kwを発電し、ゴルフ等製品の製造工程の電力として利用しています。

ミズノは2050年にカーボンニュートラルの実現を目指しており、環境負荷の低い材料や製造工程の採用、リサイクルの推進に加えて、再生可能エネルギーの利用拡大も進めています。

優れた製品を生み出すだけではなく、そのプロセスが環境に与える影響にも注意を払い、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けています。そしていつまでも、誰もがスポーツを楽しめる豊かな地球環境を守り、次の世代に引き継ぎたいと考えています。

ミズノではあらゆる側面で環境負荷低減を図っています。製品の機能等を示す商品下げ札についても取り組みを進めています。

日本市場向けの2023年春夏アパレル新製品の商品下げ札に、アパレル生地裁断時に出る裁ち屑を混ぜ合わせた混抄紙の使用を開始します。これによりアパレル素材の廃棄物削減と紙資源の使用抑制に努めます。また商品下げ札そのものの削減にも取り組み、下げ札の簡素化・集約化・デジタル化により、年間で下げ札を約400万枚削減します。
これらの取り組みによりCO2排出量を年間約11.8トン削減できる見込みです。

ミズノは2050年カーボンニュートラルの実現を目指しており、従来の資源消費を見直す活動を進めています。