ミズノは、持続可能な社会の構築に向けて「2050年 カーボンニュートラル」の実現を目指しています。

その取り組みの中で、これまでに開発した、フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減するシューズを生み出すことを目指して「WAVE NEO COLLECTION」の「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」、「WAVE NEO ULTRA(ウエーブネオ ウルトラ)」 を企画・開発しました。これらのシューズは、原材料にリサイクルポリエステルや植物由来材料など、環境に配慮した素材を使用することでCO2排出量を抑制し、またアッパーニット材料を無染色とすることで水資源を保全し、環境負荷を低減しています。

近年、競技会場などにおいて性的な目的で女性アスリートの画像や動画が撮影され、それがインターネットで拡散される被害が各種メディアなどで取り上げられています。そこでミズノでは、盗撮被害の抑制につながる「赤外線防透け」の特長を備えた生地を開発しました。

アスリートに対する盗撮問題には、アスリートはもちろんのこと競技団体も非常に頭を悩ませています。実際に、競技団体や競技主催者は盗撮被害を未然に防ぎたいと考えており、競技会場での呼びかけや撮影に関する制限といった対策を行っています。しかしながら、競技場内での撮影を完全にコントロールすることは難しく、撮影機器も年々高機能化しており、解決が難しい問題となっています。特に近年は、可視光カメラだけではなく赤外線カメラを使用し、ユニフォームの内側の下着や身体まで盗撮されてしまうといった被害が実際に起きています。

ミズノのライフスタイル営業本部の社員有志が集まり、9月14日、神奈川県鎌倉市の由比ガ浜海岸のビーチクリーンボランティアに参加をしました。

当日は16名が参加。プラスチック類を含む5.2㎏のごみを回収し、海岸の美化に貢献しました。

この活動は、ライフスタイル営業部門に所属する社員が「持続可能な社会の実現に向けて、会社として個人として、自分たちができることは何だろうか」ということを考える勉強会を立ち上げたことがきっかけでした。
環境保全に関する座学や環境関連イベントへの参加など、さまざまなアイデアが出る中、まずは自分ごととして環境問題を体感するためにビーチクリーンボランティアに参加しました。

活動に参加したメンバーの声
「想像していた以上に多くのごみが由比ガ浜海岸に散乱していることを知りました。環境保全に努めるスポーツ用品メーカーの社員として、どのような取り組みが有効かを考え、自分たちにできることから積極的に実行していきたいと思います」

ミズノでは環境にやさしいアパレル製品の開発にも取り組んでいます。

アパレル生産では、元の生地から各パーツを裁断する工程があります。その際、パーツの配置によって、利用されない生地が多く発生することがあります。

ミズノでは生地を無駄にしない効率的なパターン設計を開発し、できる限り生産時の廃棄物の発生を抑える取り組みを進めています。
またリサイクル繊維を積極的に採用しています。

そしてリサイクル繊維の含有率が50%以上、かつ廃棄される生地の発生を抑えた裁断を採用しているトレーニングアパレルをMIZUNO TWO LOOPS 8(ミズノトゥーループスエイト)※1シリーズとして展開しています。
スポーツアパレルに求められる吸汗速乾などの機能性と、環境負荷低減を両立させています。

ミズノは快適なスポーツ環境を提供するため人工芝を開発・販売する事業も行っており、その事業を通じて環境保全にも取り組んでいます。

ミズノと株式会社伊藤園は、伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用した人工芝充填材Field Chip 「Greentea」(フィールドチップ「グリーンティー」)を共同開発し2018年7月から販売しています。
Field Chip「Greentea」は、伊藤園で茶系飲料を製造する際に出る茶殻を再利用しています。茶殻にはお茶の樹木(植物)が吸収した二酸化炭素が蓄えられているため、茶殻をリサイクルしたField Chip「Greentea」により、サッカーグラウンド1面あたりで大気中にある約4.3トンのCO2を削減している計算になります

※ ヤナコHCN コーダー MT-700HCN 型(ヤナコ分析工業㈱製)により炭素量を測定

インテリアとして置けるトレーニンググッズ「ミズノヘルシーインテリア」シリーズで、商品配送時の外装箱破損による段ボールの交換をゼロにする取り組みを始めました。

商品には何ら問題がないにも関わらず、商品配送時についた段ボールの傷が原因で、箱不良として商品が返品になっている状況があります。
返品されてきた商品は、新しい段ボールに詰め替え配送をしなおしているため、段ボールの廃棄は増加傾向にありました。
また、返品・再配送の輸送によりCO2排出も余分に発生していました。

そこで実際に通信販売などで商品を購入されている方へ、商品到着時の外装箱について調査※1を行った結果、86%の方が段ボールに「少しの傷・汚れなら気にならない」と回答されました。

※1 2021年10月6日~10月9日の3日間   20~59歳の男女200名 LINEアンケート(ミズノ調べ)

持続可能な社会の実現に向けて、プラスチック資源の循環が求められています。

ミズノでは、株式会社TBMと協力し、廃棄プラスチックフィルムや使用済みペットボトルキャップを再生した素材を、一部の国内生産スポーツアパレルの包装材として使用を開始しました。
2022年6月より順次切り替えを進め、1年間で約104万点のアパレル商品の包装を本リサイクル素材に切り替えます。

一包装あたり約98%の素材が再生素材となり、これによりCO2排出量が年間29.6トン削減できる見込みです。

ミズノは2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指しており、今後も環境負荷低減に向けた取り組みを進め、いつまでもスポーツが楽しめる、豊かな地球環境を次世代に引き継ぐことを誓います。

歩くことは健康な暮らしを楽しむための基本の一つと言えます。
いつまでも元気よく歩き続けたいものです。

新潟医療福祉大学 医学博士の大森豪教授によると、日本人女性の約9割は膝の内側に負荷がかかりやすい骨格をしているとのことです。
歩行時に、ひざの内側の、本来はクッションの役割を果たすはずの関節軟骨がすり減ることで骨と骨がぶつかり負担がかかります。
いつまでも元気に歩くためには、この膝の内側への偏りを解消することが重要です。

※2008年厚生労働省データによる

ミズノは、視覚障がい者の方に向けた白杖「ミズノケーンST」を商品化しました。

商品コンセプトは、“持って出かけたくなる白杖”で、ミズノと協力いただいた一般社団法人PLAYERSが共に多様な当事者との対話を通じて設定しました。このコンセプトのもと、ミズノが総合スポーツ用品メーカーとして培ってきた知見と技術を生かし、扱いやすい機能性とスポーティーなデザイン性を追求した白杖が完成しました。
まず今回の開発をまえに、PLAYERSとともに白杖に求められるものについて261名の視覚障がい者の方にアンケートを実施しました。その結果、 “丈夫さ”と“軽さ”が求められていることが分かりました。“丈夫さ”を追求するために、ミズノがゴルフクラブのシャフト開発で培ったカーボン設計・加工技術を活用し、白杖に必要な強度と軽さを実現しました。また一般的な直杖※1と違い、先端に向かって直径が細くなる設計を採用することで一般的な直杖のシャフト重量が約100gであるのに対し、ミズノのシャフトは約70gと軽量化を実現しました。

※1 つなぎ目のない杖