運送業や農作業の現場では、腰痛の悩みを持ちながら働いている人が多くいます。特に低い位置にある重いものを持ち上げたり移動させたりするシーンでは、腰椎や骨盤の間に大きな力が発生し、ヘルニアや腰椎分離症の原因となることもあります。ミズノでは人々がよりアクティブに暮らす活気ある世界「POWERED LIFE」の実現を目指し、働く人々の毎日の作業による身体的負担を軽減するため、ミズノパワーアシストスーツを開発しました。

ライフ&ヘルス事業部のビジョン「POWERED LIFE」のコンセプトは、「あなたの人生にグッドパフォーマンスを。」をキャッチフレーズに、あなたの人生を、世界を変えていくことを目指しています。今回も多様なライフスタイルに対応する製品開発のひとつとして「重力から解放したい」という思いがあり、今回はその思いを実現させるために「体をアシストする」ソリューション開発に取り組みました。

軽量かつ高強度を特性とする炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、ゴルフクラブのシャフトや釣竿などから実用化が進み、1990年代より航空機、自動車といった産業用用途が拡大している注目の材料です。ミズノでもゴルフクラブのシャフトなど、CFRPを使用したさまざまな製品を展開しています。

セルロースナノファイバー(CNF)は、植物由来でありながらも軽量、高強度、高弾性率、低線膨張率といった特徴を備えた日本が世界をリードするナノ材料のひとつです。しかも原料が植物由来であることから、SDGsの視点からも環境負荷の低い材料として持続可能な社会に貢献できると有望視されてきました。しかし、ナノ材料特有の自己凝集特性があることや原油由来の材料と混ぜたり練り合わせることが難しく、それらが用途拡大への障壁となっており、CFRPとの複合化もこうした理由から困難とされていました。

家事や散歩、ショッピング、旅行はもちろん、なにげない日常生活においても『歩く』ことは生活の基本であり、ほぼすべての生活行動にひもづいています。これは歩行能力が落ちると、QOL(Quality of Life、生活の質)が低下することを意味しています。実際に歩行速度と健康寿命には相関関係があり、歩行速度が速い人は健康寿命が長く、歩行速度が遅い人は健康寿命が短いことがわかっています。
一般的に歩行能力の個人差が大きくなり、要支援・要介護になる人が増える年齢は75歳以上といわれていますが、中には50歳頃から歩行能力が落ち始める人もいます。そこで、いち早く効果的な歩行能力維持対策に取り組み、より長くイキイキと生活していただくため、ミズノでは歩行動作を科学的に判定する基幹理論『Motion DNA(モーション ディーエヌエー)』を開発しました。

2022年1月からミズノはスタートアップ企業に投資をするファンドを運営しているスクラムベンチャーズと契約しました。今回、ミズノ株式会社 水野社長とスクラムベンチャーズ 宮田社長による対談を行いました。

水野:ミズノはスポーツ用品に関わって100年以上の歴史があり、スポーツをする歓びや幸せを人々に届けることを目的に、その時々の社会動向や人々のニーズをキャッチしながら新たな価値の創造に取り組んでいます。その結果、より多くの人々が手軽にスポーツを楽しめる環境を提供したり、スポーツ用品開発を通して培った技術力を活用して人々の生活をより豊かにするお手伝いができればと考えています。

宮田さん:なるほど。現在、ミズノ大阪本社横で建設中のイノベーションセンターもそこに繋がっているんですね。