重要課題
スポーツを軸とした多様性の推進

MENU

基本的な考え方

ミズノは、多様な人たちが世代・性別・障がいの有無などの違いを超えて、運動やスポーツを一緒に楽しめる製品・サービスの研究・開発を進めています。

多様な人たちが一緒に楽しめる運動やスポーツ製品・サービスの研究・開発

ミズノは、より多くの人たちがスポーツに参加できるよう、身体負荷の少ない走り方・歩き方に関する研究や、それに適した製品開発に取り組んでいます。
また、人体負荷軽減の関連商品として下記のような研究開発を実施しています。

  • 歩行アシストキャリーバッグ(手首や腕の負荷軽減)
    ハンドルの形がⅬ字型になっており、前に進もうと体重をかけたときに車輪へ力が均等に伝わり、多少の段差でも真っすぐに進むことができます。上り坂ではL字の角を持って上ると、縦に持って上るよりも手首の筋肉にかかる力が約4割も軽減できます。
写真:歩行アシストキャリーバッグ
写真:歩行アシストキャリーバッグ
  • 膝サポーター「グッドムービング ひざサポーター」(膝の負荷軽減)
    膝のぐらつきを抑え、安定性を確保するフレックスチューブボーンを内蔵しているほか、ミズノの独自設計「ダイナモーションフィット設計」でズレにくく、理想的な装着感を実現しています。
  • カーボン製白杖「ミズノケーン ST」(快適性・安全性の向上)
    当社は、スポーツ用品開発で培ったカーボン設計・加工技術を活用し、軽量性と操作性を追求した直杖タイプの白杖「ミズノケーン ST」を2022年3月に発売しました。この白杖は、持ち手に近い手元側を堅くすることで、地面の凹凸を感じやすい設計を採用しています。また、地面と接地する先端部にはティアドロップ型の石突を採用することで、路面のひっかかりを抑制しています。一般社団法人PLAYERS※1と協力し、ミズノで開発、ミズノ テクニクス株式会社※2で製造しています。
    なお、白杖「ミズノケーン ST」は、2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞、また「2022年日経優秀製品・サービス賞」で、最優秀賞を受賞しました。

※1 「一緒になってワクワクし世の中の問題に立ち向かう」をスローガンとするプロトタイピングチーム

※2 スポーツ用具・カーボン製品の製造をするミズノ株式会社のグループ会社

写真:カーボン製白杖「ミズノケーン ST」

カーボン製白杖「ミズノケーン ST」

障がい者スポーツ支援

ミズノは、障がい者用スポーツ用具の開発・提供や、選手・チームのサポートなどを通じて、障がい者が積極的にスポーツにアクセスできるような環境づくりにも力を入れています。

スポーツ用義足の開発

ミズノは、福祉機器メーカーである今仙技術研究所と共同で、2016年からカーボン製スポーツ用義足板バネなど陸上用義足の開発に取り組んでいます。多くのスポーツ品に使っているカーボンの設計・加工技術と、アスリートの動作解析などのスポーツテクノロジーを融合させ、今仙技術研究所の技術と組むことで、世界で戦えるスポーツ用義足を開発しました。

2020年9月には、板バネの先端中央部分に孔をあけた形状のスポーツ用義足板バネ「KATANAΣ」(カタナシグマ)を共同で開発しました。このカーボン製板バネは、スパイクピンがある接地部分から上部にかけて空気孔を設けることで、空気抵抗を約31%軽減しています※1。質量は従来品に比べて約15%軽量になり、振りやすさを表す慣性モーメントも従来品に比べ約10%小さく設計できました※2

トップ選手向けのラインナップを今後も増やしていくことで、これまで海外製品を使っていた選手への普及促進を図っていきます。

※1 空気孔を設けないものとの比較。ミズノ調べ、風洞実験装置による。
風速18.2m/s、義足を振り出す速度が最大となる板バネの位置関係(板バネが垂直より30°前傾した姿勢)で計測。

※2 従来品との比較。ミズノ調べ、慣性モーメント測定器による。
地面から460mm、板バネ取り付け面から前方へ80mmの位置を膝の回転軸とした設定で計測。

スポーツ用義足板バネ「KATANAΣ」

今仙技術研究所・ミズノ共同開発 スポーツ用義足板バネ「KATANAΣ」(カタナシグマ)

エントリー向けのスポーツ用義足

2021年9月には、スポーツのエントリー層に向けたカーボン製板バネ「KATANAα」を共同開発しました。競技用板バネ製作のノウハウを生かし、初めて走る人を対象にした、軽量で扱い易い板バネです。専用のソールを装着することで、トップモデルと同様のコンセプトを持ったバネ特性を実現しています。さらに、日常用義足からの取り換えが容易で、価格も従来の競技モデルと比べて安価となっています。
日本国内における下肢切断者は約6万人※3で、公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンターのアンケートによると、当施設で義足を製作されたユーザーの約3割が「競技用の義足を試してみたい」と回答しています。
今後も、当社は今仙技術研究所と共にスポーツ用義足板バネの研究開発を続け、下肢切断者のスポーツライフを支えていくことを通じて、健康の増進と福祉の向上を推進していきます。

※3 平成18年厚生労働省「身体障害児・者実態調査」より

写真:MiKuHa

今仙技術研究所・ミズノ共同開発 「KATANAα」(カタナアルファ) 子ども用(左)と大人用(右)

今後の課題

ミズノグループは、海外12の国と地域に事業拠点を有し、ミズノブランドをグローバルに展開していますが、それぞれの地域に根差したスポーツ振興の活動も推進してきました。今後も、スポーツの力を通じて平和な社会の実現に貢献できるよう、また、世界中の人々、世界中の子どもたちを笑顔にできるよう、取り組みをさらに広めていきます。

また、当社グループは競技スポーツ分野で培った技術や素材も応用し、誰もが楽しく体を動かせる社会、スポーツの力で社会課題の解決に貢献できる世界の実現を目指していきます。