重要課題
運動機能の維持による健康寿命の延伸
基本的な考え方
高齢化が進む現代では、スポーツを通じた健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の延伸が期待されています。ミズノは、一人一人の生活の質を保ち豊かな生活を送るため、また、医療費等の社会的負担を軽減するためにも、スポーツを通じたシニア世代の運動機能維持に努め、健康寿命の延伸に貢献していきます。
ミズノ高齢者健康運動プログラム
「ミズノ高齢者健康運動プログラム」とは、「できる」「楽しむ」「つづく」の三つのコンセプトをもとにミズノが独自に開発した高齢者健康運動プログラムです。
LaLaLa Fit
「LaLaLa Fit」は、自分の体重を利用して筋肉や関節など日常生活で体を動かす部位を鍛える運動プログラムです。ミズノの機能性ツールを使うことでバランス感覚を鍛え、さらに普段使っていない筋肉の活性化を目指します。
LaLaLa Circuit
「LaLaLa Circuit」は、トレーナーのフォローのもと、バランス、筋力、脳力の三つの要素について、個人のレベルに応じて、自分のペースで脳と体を鍛えることができます。しっかりと運動をされたい方にお勧めの運動プログラムです。油圧マシンを使った筋力トレーニングと、有酸素運動であるリズム体操を同時に行うデュアルタスク運動で、体と脳の両方を活性化させます。
LaLaLa Circuit Lite
「LaLaLa Circuit Lite」は、自分の体重を利用した筋力トレーニングと、有酸素運動であるリズム体操を同時に行うデュアルタスク運動で脳の活性化も目指します。運動を楽しく気軽に行いたい方向けの運動プログラムです。
健康寿命の延伸に向けた地域との協働
ミズノは、日本各地の自治体で行われている介護予防事業や、特定保健指導該当者向け事業などに積極的に取り組み、運動施設に行くにはハードルが高いと考えているユーザーに対して、運動のきっかけづくりを行っています。教室ではグループワークなどの手法を取り入れ、参加者同士のコミュニティづくりや、運営する指定管理施設での運動継続などを促しています。
2023年度は介護予防事業を全国で 48事業開催し、介護予防教室に参加するだけでなく、教室終了後に参加者自身でも取り組める運動方法や運動メニューの習得ができるように事業展開を心掛けています。
ミズノアクティブリーダーの普及
ミズノは、シニアの運動指導に関わる全ての人を対象に、運動する上での身体に関する基礎知識の習得と運動プログラムを指導・実践するミズノアクティブリーダーを育成するための研修を行っています。これは、ミズノオリジナルのライセンスで、研修を通じて実際に運動を行う際の注意点を学び、シニアに必要な筋力トレーニング、ストレッチ指導ができる技術を習得することができます。
NPO や体育協会・企業などの方々がアクティブリーダーを取得し、施設や地域で指導者として運動指導を行い、活躍の場を広げています。
健康寿命の延伸に関するプログラムの実績
項目 | 内容 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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ウォーキング講習会 | 一人でも手軽に取り組める運動であるウォーキングの講習です。正しい姿勢、歩行、リハビリ体操、足指ストレッチなど、運動が苦手な高齢者でも参加できます。 | 施設数(箇所) | 38 | 27 | 34 | 37 | 40 |
参加者(人) | 2,801 | 2,866 | 2,984 | 2,620 | 2,172 | ||
LaLaLa Fit | 上記LaLaLa Fitをご参照ください。 | 施設数 | 23 | 28 | 33 | 38 | 40 |
参加者(人) | 17,684 | 10,389 | 14,674 | 16,437 | 17,104 | ||
LaLaLa Circuit | 上記LaLaLa Circuitをご参照ください。 | 施設数 | 2 | 2 | 2 | 5 | 5 |
参加者(人) | 6,028 | 1,876 | 4,672 | 8,513 | 8,975 | ||
姿勢シャキーン | 姿勢改善プログラムです。体幹のトレーニングを主とし、ミズノオリジナルの運動ツールを使っています。 | 施設数 | 1,020 | 1,184 | 2,218 | 3,605 | 2,519 |
ウォーキング講習会
LaLaLa Circuit
行政と共に介護予防リーダーを育成
ミズノは、行政との協働により、市民を対象にした介護予防リーダーの養成を行っています。ミズノアクティブリーダーの要素を取り入れ、研修の実施や、中核施設におけるOJTのほか、育成したリーダーがそれぞれの地域で活躍できるまでの支援も行っています。
羽曳野市との協働事業では、地域の健康づくりサポーターを市内4カ所で106名を育成し、住民主体で行う健康づくりに貢献しています。2023年度は市内4カ所の通いの場で、住民主体により全1,984教室を展開し、総勢26,244名の教室参加者がありました。
今後の課題
加齢による筋力の衰えなどにより体の機能が低下してきたシニアの方向けに、アスリートの動作解析技術を応用した衣服や用具などの製品開発を進めています。
さらに、運動が苦手な方や自宅から外出しにくい環境にある方でも、気軽に自宅で実施できるトレーニングプログラムの開発や、ツールを使う楽しさから運動へと発展させる運動プログラムなどの提供を実施していきます。
また、ミズノアクティブリーダーの普及を促進し、誰もが運動を通したコミュニティをつくり、お住まいの地域で毎日をより活動的に楽しめるカラダづくり・健康づくりをサポートしていきたいと考えています。