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重要課題
スポーツの振興と教育

基本的な考え方

情報化社会の進展や生活環境の変化に伴い、子どもたちの体力・運動能力は世界的に低下傾向にあります。この傾向は、将来の健康状態に影響を及ぼすだけでなく、医療費の増加や労働力の低下といった形で、社会全体の活力を損なう可能性も指摘されています。こうした課題に対しては、教育機関や家庭はもちろん、社会全体での包括的な取り組みが求められています。

日本における子どもの体力・運動能力低下の背景には、次のような要因があると考えられています:

  • 手軽に安全に遊べる外遊びの場が減っていること
  • 幼少期に身につけるべき基本的な動作(走る・跳ぶ・投げるなど)が十分に発達していないこと
  • スポーツに対する苦手意識の形成

ミズノは、こうした課題に対応するため、子どもの体力・運動能力の向上を目的とした独自の運動プログラムを開発し、全国各地の教育機関や地域と連携しながらその展開を進めています。これにより、子どもたちが運動の楽しさを実感し、自ら進んで体を動かす習慣づくりを支援しています。

ミズノ独自の運動プログラムの開発

ヘキサスロン

ミズノは、運動が苦手な子どもでも楽しくスポーツの基本的な動作を習得できる運動遊びメニューと、運動能力測定を組み合わせたプログラム「ヘキサスロン」を開発し、日本全国各地の自治体と協働して小学校をはじめとした各種施設に提供しています。「ヘキサスロン」は、安全性と機能性を考慮したミズノオリジナルの用具を用い、各自の運動能力に合わせて「走る」「跳ぶ」「投げる」の基本動作を習得できるよう構成されています。場所、プログラム、サービスをセットで提供することにより、楽しく、かつ着実に子どもたちの体力・運動能力の向上につなげることが可能となっています。

心と体を育むスポーツスクール「MISPO!」

ミズノは、子どもたちの健やかな身体の発達、自ら考える力、他者と協力する力を育むことを目的に、独自のマルチスポーツプログラム「MISPO!(ミスポ)」を開発し、2024年4月より指定管理施設(東京都3カ所、大阪府1カ所)にて運用を開始しました。

対象は小学校1~3年生で、野球、テニス、卓球、柔道など10種目のスポーツを週替わりで体験します。運動用具はミズノが準備し、認定スタッフ「ミズノプレイリーダー」が子どもたちの自主性や協調性を引き出すサポートを行います。各プログラムの終わりには振り返りを行い、子ども自身の気づきや成長を記録。保護者には、フィードバック面談を通じてお子さまの成長過程を丁寧に伝えています。

画像:自身で考えたことを自分の言葉で表現する子どもたち

自身で考えたことを自分の言葉で表現する子どもたち

画像:友だちと作戦会議中!

友だちと作戦会議中!

その他

子どもの体力・運動能力の向上のためには、幼少期から身体を動かすことに慣れ親しみ、スポーツへの苦手意識を克服することが重要です。

ミズノは、スポーツに関する知識・経験が豊かなミズノスタッフが講師となり、「ミズノ・スポーツ塾」や「運動会必勝塾」などのプログラムを各地で開催しています。幼少期に身につけておくべき基本的な動きを短期集中で克服し、運動の楽しさを味わってもらうことで、運動が好きな子どもを増やすことを目指しています。

運動の苦手な子どもたちへ「苦手克服教室シリーズ」として、跳び箱、マット、鉄棒に加えて、ミズノ苦手克服縄跳び教室も2022年度からスタートしました。
縄跳びを「うまく跳ぶこと」が目的ではなく、「跳ぶことが好きになる」をテーマにした運動遊び中心の取り組みです。

また、3~5 歳の子どもの親子を対象に、その年代で覚えてほしい動きを取り入れた運動遊びプログラム「PLAY ! CIRCUS」を展開しています。「PLAY ! CIRCUS」は、サーカスの世界観で、サーカスの団員となり、団長やピエロと一緒に楽しむ60分のプログラムです。

子どもの体力・運動能力の向上に関するプログラムの実績

項目 内容 項目 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
ヘキサスロン
スポーツの基本的な動作を楽しく習得できるメニューと運動能力測定を組み合わせたプログラム(※数字は国内のみ)
導入数(校) 9 7 8 23 15
開催数(回) 17 13 13 23 15
参加者(人) 1,446 631 661 1,569 179
ミズノ流忍者学校(2021年度からは「めざせ!しのびポケモンゲッコウガ!」プログラムも実施しています)
幼少期の成長に必要な「走る」「跳ぶ」「投げる」などの36の基本動作を盛り込み、忍者の修行に見立てたストーリー型遊び運動プログラム
開催数(回) 63 24 54 13 57
参加者(人) 789
(延べ)
487
(延べ)
865
(延べ)
644 1,203
ミズノ・スポーツ塾
マット運動・鉄棒・跳び箱などを取り入れた、運動が苦手な子どもたちのためのプログラム
開催数(回) 182 60 45 41 50
参加者(人) 1,760 1,018 455 788 874
運動会必勝塾
運動会のリレーやかけっこで1等賞をとるためのレッスン体験型プログラム
開催数(回) 7 8 5 5 7
参加者(人) 98 259 215 165 316
苦手克服教室 縄跳び
縄跳びの苦手な子どもたちへ、1回でも跳べるように、また縄跳びをが好きになってもらうプログラム
開催数(回) 62 35 22
参加者(人) 879 725 335
写真:ヘキサスロン

ヘキサスロン

写真:ミズノ流忍者学校

ミズノ流忍者学校

写真:ミズノ流忍者学校

ミズノ流忍者学校

写真:ミズノ・スポーツ塾

ミズノ・スポーツ塾

写真:ミズノ・スポーツ塾

ミズノ・スポーツ塾

写真:運動会必勝塾

運動会必勝塾

ベトナムでのスポーツ振興

「ミズノヘキサスロン運動プログラム」導入普及促進事業

ミズノは、2015年からベトナムで「ミズノヘキサスロン運動プログラム」普及促進事業に取り組んできました。ベトナムの義務教育期間における体育の授業時間は、先進国に比べ非常に少なく、運動プログラムも画一的で、「走る」「跳ぶ」「投げる」などのスポーツの基本動作の要素が十分に考慮されていないことが課題でした。

2018年9月に当社はベトナム教育訓練省との間で、新学習指導要領における「ミズノヘキサスロン」導入に向けた協力合意を取り交わし、同国小学校 1,000校に対して、スポーツ用具の提供を行いました。

また、同年10月には「ミズノヘキサスロン」導入と定着に関する協力覚書を正式に締結しました。これにより、新学習指導要領への「ミズノヘキサスロン」導入と定着化に向けたモデルケースを各地でつくり出すことが可能となり、同年12月以降、ベトナム全63省を対象とした導入普及促進活動を実施しました。

小学校の教師を対象とした、指導員養成のためのワークショップには、2019年末までに約1,700人の教師が参加し、それぞれが担当する小学校で指導に当たることで、多くの小学生が「ミズノヘキサスロン」を活用した体育授業を受けてきました。

2020年3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大人数を一堂に集めるワークショップ活動は見合わせていましたが、コロナ以前にワークショップ活動に参加した現地の教師の方々から、それぞれが地元の小学校でミズノヘキサスロンを体育授業に取り入れているといった報告が届いています。

2022年6月には、本事業に対して、ベトナム国家主席府から特別感謝状を授与されました(授与式は、2022年6月27日にミズノ大阪本社で実施)。

2023年1月時点で、ミズノヘキサスロンは、ベトナム全63省200校の小学校(公立小学校126校、私立小学校等74校)で、課外授業として導入されています。ベトナム全土には、約15,000校の公立小学校が存在するため、2023年当初から当社はベトナム教育訓練省と「いかにしてミズノヘキサロスンを義務教育化するべきか」という課題に関して、さまざまな角度から実務者協議を実施してきました。その結果、2023年10月に当社は両国大臣立会いの下、教育訓練省と新たな協力覚書を締結しました。当社は、さまざまなプロセスの集大成として、本事業への取り組みをさらに加速していきます。

2023年10月に締結した協力覚書

今後も当社は、ベトナムの子どもたちに「運動をすることの楽しさと体を動かすことの喜び」を広げるとともに、スポーツの力を活用して社会課題を解決する「スポーツSDGs」の達成を目指し、本事業を推進していきます。

写真:スポーツSDGs
写真:ベトナム国家主席府より特別感謝状を受章

ベトナム国家主席府より特別感謝状を受章

養護施設への支援とスポーツの力の提供

ミズノは、ベトナムにおいて社会的に弱い立場にある子どもたちを支援する取り組みとして、現地の養護施設へスポーツ用品の無償提供を行っています。本活動は、現地で企画された若者支援プロジェクトへの協力を通じて実現したものであり、ミズノはスポーツを通じた社会貢献の趣旨に賛同し、協力することとなりました。
現在は、複数の養護施設をつなぐスポーツ大会の開催に向けた準備も進めており、子どもたちにとって健やかな成長と交流の場を提供できるよう、現地パートナーと連携して取り組んでいます。

画像:ベトナムの子どもたちとバドミントンで交流
画像:ベトナムの子どもたちとバドミントンで交流

ベトナムの子どもたちとバドミントンで交流

ミズノオリジナルライセンス「ミズノプレイリーダー」の普及

ミズノは、子どもたちがいきいきと遊べるような環境をつくり、子ども同士の主体的な遊びを見守る「ミズノプレイリーダー」の育成に取り組んでいます。子どもに接する機会が多い企業、大学、行政、教育関係者に、プレイリーダーとしての基礎知識と実技を身につけていただき、運動遊びの基本的な内容を研修する活動を実施しています。この研修活動を社内外に普及させており、現時点で全国各地に約 1,200人のミズノプレイリーダーの輪が広がっています。子どもたちと全力で向き合い、子どもたちの信頼を得て、いざという時は全力で守ります。

画像:ミズノプレイリーダー
画像:ミズノプレイリーダー

ミズノプレイリーダー

ミズノプレイリーダーライセンス取得者数

(人)

社内 社外 総数
1級 4 0 4
2級 31 5 36
3級 346 774 1,120
合計 381 779 1,160

子どもの運動習慣向上を目指す運動遊びプログラムの研究

運動遊びだけでなく、スポーツやエクササイズを長続きさせるには、楽しいという気持ちが必要です。特に幼少児期の体験は大人になっても残るといわれており、運動遊びの効果として体力、運動能力の研究だけでなく、運動遊びプログラムと子どもの心の関係を研究しています。運動が苦手な子ども、運動が嫌いな子どもが抵抗感なく参加できる運動遊びプログラムづくりを目指しています。

子どもたちの発達を促す運動遊びプログラムの提供

スポーツにおける正確な動作や、日常生活における細かな動作が苦手で、物をよく落とす、ハサミや刃物がうまく扱えないなど生活の中で支障を感じている子どもたちを対象とした運動遊びプログラムを提供しています。このプログラムを通じて、身体の動かし方や巧緻性を改善することで子どもたちの発達を促していきます。

今後の課題

現代の子どもたちには、遊ぶ「空間」「仲間」「時間」の3つの「間」がないといわれています。また、保護者からは「子どもとの遊び方が分からない」という声も耳にします。

ミズノは、子どもがいきいきと遊べるような環境づくりと、それを見守る「ミズノプレイリーダー」の育成を行っています。

プレイリーダーは、おもしろく夢中になれる遊びや運動を提供することで、子どもたちが主体となって子ども同士で遊べるような環境を作っています。このプレイリーダーを広く社内外で普及させ、運動遊びを通じて子どもたちの健全な心と体づくりを支援していきます。

また、今後はプレイリーダーが活躍する「場」も創出していきたいと考えています。そのためには、プレイリーダーが普及する上で今後想定される課題の抽出と、保護者への啓発活動を同時に行い、プレイリーダーの認知をさらに拡大させていく必要があります。プレイリーダーが世の中に広く認知されるよう、運動遊びプログラムやイベントを通じて、より一層の浸透を図っていきます。