重要課題
スポーツを通じた心身の健康
基本的な考え方
私たちを取り巻く生活環境は、日々著しく変化しています。情報化社会の進展やさまざまな作業の自動化により利便性が向上するとともに、労働形態の変化なども加わり便利で快適な生活が実現しました。一方、運動不足や人と人との交流の減少といった課題も生まれ、社会の健全な発展に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。
ミズノは、より多くの人々がスポーツに親しみ、心身の健康を育める社会の実現を目指しています。誰もが気軽に運動を取り入れられるサービスの提供を通じて、健康的で充実したライフスタイルを支援し、サステナブルな社会づくりに貢献していきます。
企業の健康経営に寄与するプログラムの提案
日々忙しく運動の時間が取れない社会人や、運動に無関心な方に向けて、さまざまなアプローチ手法を用いたイベントやセミナーを企画し、企業などに提案することで健康経営をサポートしています。
例えば、日常の何気ない動作や時間を簡単な運動に変えて、運動不足の解消を目指すプログラム「ながら運動100」を開発し、延べ100社以上の企業でイベントや講習会を実施してきました。
運動はしたいが長続きしない要因は、運動する時間や場所にとらわれたり、特別なことをしなくてはいけないと身構えたりすることが原因になっていると考えられます。運動のために何かをしなくても、実は日常生活の中に多くの運動が隠れているのではないかという発想から生まれたのが「ながら運動100」です。
特別な道具は必要なく、スポーツジムに通うこともなく、運動のためだけに時間を割くことも不要です。日常生活シーンでできる「ながら運動」をインストラクターと一緒に実施していく形式で紹介しています。
少し意識を変えるだけで、日常生活がそのまま運動になる「ながら運動」はさまざまな企業・団体とコラボレーションも行っています。
日常生活における健康増進
歩き方プログラム
ミズノは、正しい歩き方や姿勢を楽しく学びながら、運動効率を高めることを目的とした歩き方プログラムの講習会を実施しています。参加者は、自分の歩行姿勢や立ち姿を客観的に知ることで、より効果的に身体を動かすコツを身につけることができます。
歩くことは、心と体の健康づくりの基本。私たちはこの講習会を通じて、人々のウェルビーイングの向上と、持続可能なライフスタイルの実現をサポートしています。
「歩く」を科学した『Motion DNA(モーション ディーエヌエー)』
ミズノは、「あなたの人生に、グッドパフォーマンスを。」というPOWERED LIFEのビジョンを具現化するサービスの一つとして、歩行能力・歩行タイプ分析システム『Motion DNA(モーション ディーエヌエー)』を開発しました。『Motion DNA』の活用により、人々の「歩く」をより楽にすることで、「いつまでも自分の足で行きたいところへ行ける人生」のサポートを目指します。
「歩く」ことは生活の基本です。そのため、歩行能力が落ちると、QOL(Quality of Life:生活の質)が低下します。歩行速度と健康寿命には相関関係があり、歩行速度が速い人は健康寿命が長く、歩行速度が遅い人は健康寿命が短いことがわかっています。
より長くイキイキとした生活を送るためには、歩行能力の効果的な維持対策が重要となります。『Motion DNA』は、簡単かつ高精度な専門機器によって歩行能力を測定するとともに、立位姿勢測定システムとアプリケーションにより歩行タイプを推定します。
歩行能力と歩行タイプの違いを知ることで自分に合ったトレーニング方法やサポート商品が明確になり、健康寿命の延伸につなげることができます。
歩行能力測定
Motion DNA測定実績
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|
| 施設数数(箇所) | 63 | 81 | 71 |
| 参加者数(人) | 3,500 | 6,600 | 9,250 |
リビングで手軽に運動することを習慣化し健康づくりをサポート
健康のために身体を動かしたいが時間が無い」「トレーニング用品は片づけが面倒」などの声に着目し、リビングに置けるトレーニンググッズシリーズとして「ミズノヘルシーインテリア」を2018年から販売しています。“いつもの時間、空間にプラス”をコンセプトに、仕事や家事・育児などで時間がとりにくい人でも、リビングで手軽に運動することを習慣化し健康づくりをサポートします。
新型コロナウイルスの影響で在宅時間が長くなったことを背景に、外部環境に左右されず一人でも手軽にエクササイズを続けることができることから、販売は好調に推移しています。
ミズノヘルシーインテリア
運動機能の維持による健康寿命の延伸
高齢化が進む現代では、スポーツを通じた健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の延伸が期待されています。ミズノは、一人一人の生活の質を保ち豊かな生活を送るため、また、医療費等の社会的負担を軽減するためにも、スポーツを通じたシニア世代の運動機能維持に努め、健康寿命の延伸に貢献していきます。
ミズノ高齢者健康運動プログラム
「ミズノ高齢者健康運動プログラム」とは、「できる」「楽しむ」「つづく」の三つのコンセプトをもとにミズノが独自に開発した高齢者健康運動プログラムです。
LaLaLa Fit
「LaLaLa Fit」は、自分の体重を利用して筋肉や関節など日常生活で体を動かす部位を鍛える運動プログラムです。ミズノの機能性ツールを使うことでバランス感覚を鍛え、さらに普段使っていない筋肉の活性化を目指します。
LaLaLa Circuit
「LaLaLa Circuit」は、トレーナーのフォローのもと、バランス、筋力、脳力の三つの要素について、個人のレベルに応じて、自分のペースで脳と体を鍛えることができます。しっかりと運動をされたい方にお勧めの運動プログラムです。油圧マシンを使った筋力トレーニングと、有酸素運動であるリズム体操を同時に行うデュアルタスク運動で、体と脳の両方を活性化させます。
LaLaLa Circuit Lite
「LaLaLa Circuit Lite」は、自分の体重を利用した筋力トレーニングと、有酸素運動であるリズム体操を同時に行うデュアルタスク運動で脳の活性化も目指します。運動を楽しく気軽に行いたい方向けの運動プログラムです。
地域との協働
ミズノは、日本各地の自治体で行われている介護予防事業や、特定保健指導該当者向け事業などに積極的に取り組み、運動施設に行くにはハードルが高いと考えているユーザーに対して、運動のきっかけづくりを行っています。教室ではグループワークなどの手法を取り入れ、参加者同士のコミュニティづくりや、運営する指定管理施設での運動継続などを促しています。
2024年度は介護予防事業を全国で 40事業開催し、介護予防教室に参加するだけでなく、教室終了後に参加者自身でも取り組める運動方法や運動メニューの習得ができるように事業展開を心掛けています。
ミズノアクティブリーダーの普及
ミズノは、シニアの運動指導に関わる全ての人を対象に、運動する上での身体に関する基礎知識の習得と運動プログラムを指導・実践するミズノアクティブリーダーを育成するための研修を行っています。これは、ミズノオリジナルのライセンスで、研修を通じて実際に運動を行う際の注意点を学び、シニアに必要な筋力トレーニング、ストレッチ指導ができる技術を習得することができます。
NPO や体育協会・企業などの方々がアクティブリーダーを取得し、施設や地域で指導者として運動指導を行い、活躍の場を広げています。
プログラムの実績
| 項目 | 内容 | 単位 | 2020
年度 |
2021
年度 |
2022
年度 |
2023
年度 |
2024
年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ウォーキング講習会 | 一人でも手軽に取り組める運動であるウォーキングの講習です。正しい姿勢、歩行、リハビリ体操、足指ストレッチなど、運動が苦手な高齢者でも参加できます。 | 施設数(箇所) | 27 | 34 | 37 | 40 | 37 |
| 参加者(人) | 2,866 | 2,984 | 2,620 | 2,172 | 2,472 | ||
| LaLaLa Fit | 上記LaLaLa Fitをご参照ください。 | 施設数 | 28 | 33 | 38 | 40 | 41 |
| 参加者(人) | 10,389 | 14,674 | 16,437 | 17,104 | 22,468 | ||
| LaLaLa Circuit | 上記LaLaLa Cir-cuitをご参照ください。 | 施設数 | 2 | 2 | 5 | 5 | 9 |
| 参加者(人) | 1,876 | 4,672 | 8,513 | 8,975 | 7,801 |
※ LaLaLa FitとLaLaLa Circuit Liteを混在した教室展開を行っている施設もあるので、LaLaLa Circuit Liteの実績はLaLaLa Fitに含めています。
ウォーキング講習会
LaLaLa Circuit
行政と共に介護予防リーダーを育成
ミズノは、行政との協働により、市民を対象にした介護予防リーダーの養成を行っています。ミズノアクティブリーダーの要素を取り入れ、研修の実施や、中核施設におけるOJTのほか、育成したリーダーがそれぞれの地域で活躍できるまでの支援も行っています。
羽曳野市との協働事業では、地域の健康づくりサポーターを市内4カ所で106名を育成し、住民主体で行う健康づくりに貢献しています。2024年度は市内4カ所の通いの場で、住民主体により全2,816教室を展開し、総勢12,590名の教室参加者がありました。
高齢者の認知能力向上(低下防止)を目指す運動プログラムの研究
健康に関して高齢者が感じている不安は、転倒によって寝たきりになることと、認知能力低下によって日常生活に支障が出ることの二点があげられます。高齢者の長期寝たきり、入院は医療費や介護費の負担増を招きます。ミズノは、健康寿命を延ばすためには、楽しく運動を続けることが重要だと考えています。リズムに合わせて身体を動かしたり、手と足の協調運動を行ったりすることで認知能力の低下予防につながるとの考えのもと、高齢者を対象とした運動プログラムの研究を行っています。
今後の課題
加齢に伴う筋力の低下などにより身体機能が衰えてきたシニアの方向けに、アスリートの動作解析技術を応用した衣服や用具の製品開発を進めています。
また、運動が苦手な方や外出が困難な方にも対応できるよう、自宅で気軽に取り組めるトレーニングプログラムの開発や、「ツールを使う楽しさ」をきっかけに運動習慣へとつなげるプログラムの提供も推進しています。
さらに、「ミズノアクティブリーダー」の普及を通じて、誰もが運動を楽しめる地域コミュニティづくりを支援し、地域での健康的かつ活動的なライフスタイルの実現を目指しています。
今後は、こうした取り組みに加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用しながら、スポーツを核とした新たなビジネス領域の開拓にもチャレンジしていきます。